NPO「にこにこ劇場こうべママ」が主催する「夏休みキッズマイスター」が8月23日、北野工房のまち(神戸市中央区中山手通3、TEL 078-200-3607)で開催された。
同イベントは事前に募集した小学生が同館の工房で就業体験をするもの。「働くことの意味やものづくりの楽しさを指導して、子どもたちのものを大切にする心、ものを愛する心を伝え育む」(同NPO)ことを目的に開催する。
当日就業体験に参加したのは事前の公募100人から選ばれた小学生40人。参加者は同館内約20工房に1~4人ずつ割り振られ、各工房で商品の袋詰めやTシャツの製作、呼び込みなどを行った。お辞儀をしながら大きな声で「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」とあいさつする練習を事前に行っていたこともあり、体験中の同館内には参加者らの大きな声が響いた。試食を行っている店では、パンの焼き上がり時間を知らせたり、試食用の盆を持ち店頭に立つ姿も。
同館内で野菜や果物のフレッシュジュースを提供する「JU-C-100%」で就業体験をした参加者は「試食のゼリーが乗った盆を持って立つのはしんどいのが分かった。たくさんの人に試食してもらって、買ってくれた人もいたからうれしかった」と感想を話した。ほかにもまんじゅうやせんべいを販売する「亀井堂」で就業体験をした参加者からは「最初は楽しかったが、だんだん疲れてきた。働くのは楽しいけど、大変」という声が聞かれた。
同NPO代表の國本ひろみさんは「自分の子どもが経験したトライやるウィークにヒントを得た。誰とも話さずにものが買える時代だが、ものづくりには人の気持ちがこもっていることを、この就業体験を通じて伝えていきたい」と期待を寄せる。「『働く』とは『はた』を『楽』にすること。『楽』を訓読みにすると『たのしい』になる。働くことは周りを楽しくすること」とも。