フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が10月10日、医学博士であり、脳神経外科医の林成之さんを迎えてエスパスフェリシモホール(須磨区)で開催された。テーマは「脳の本質から学ぶ『ともにしあわせになるしあわせ』について」。
人間の本能や脳の神経細胞についての資料をスクリーンに映しながら行われた講演で、「脳は一般に難しいといわれがちだが、実は非常にシンプルで簡単なもの」と林さん。「勉強するほど頭が良くなるというのは嘘。勉強しても勉強しても頭の良くならない人ばかり。どうしてかというと嫌なものをやらされると頭はよくならない」と話した。「脳は必要のないものや、面白くないものは3日間で忘れる。記憶するにはどれだけ興味を持てるか、いかに好きになれるか、が重要になってくる」とも。
林さんが「いい習慣を身に着けるとすごいことが当たり前にできる」と頭のいい子が育ついい習慣について話し始めると、会場からは一斉にメモを取り出す姿も。いい習慣には「先生を好きになる」「人の話を感動して聞く」「繰り返し考える」「素直な性格を磨く」「何事にも興味を持つ」などが挙げられ、親が自然な会話などでいい習慣を身につけさせることが重要だという。
続く質疑応答では「男の脳と女の脳の違い」を問われ、「まず目から違う。女性の目は近くのものがよく見えているので分析ができるが、男性の目は全体像がよく見えている。だからデートする時に髪形だけ変わっても分からないものなんです(笑)」と答え、「男性はロジカルにものごとを考え、女性は話すことによってアイデアが出てくる。女性は話しっぱなしではなく、一つひとつまとめておくことが大切」とも。
林さんは事故などによって脳に損傷を受けた数多くの人々の治療と社会復帰をさせ「ゴッドハンドを持つ男」と呼ばれる。脳卒中で倒れたオシム監督の主治医を務め、北京オリンピックでは日本代表水泳チームの脳科学的戦略指導に参加し、北島康介選手を金メダルへ導いたと注目を集めている。
フェリシモが主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で150回目を数えた。参加料は全額、「あしなが育英会」の神戸レインボーハウス運営支援に活用される。