大丸神戸店(神戸市中央区明石町、TEL 078-331-8121)の「大丸ミュージアムKOBE」で1月8日、「レオナール・フジタ展-よみがえる幻の壁画たち-」が始まった。
同展は日本人でありながら、フランス人レオナール・フジタとしてその生涯を終えた藤田嗣治の画業を、最初のフランス時代の集大成である「構図」と「争闘」、その後の日本における壁画の制作を経て、最後のフランス時代の帰結である「平和の聖母礼拝堂」を軸に、貴重な作品と資料約180点を展示するもの。ターゲットは美術ファンを中心とした30代以上の男女。
日本国内に残る1930年代の壁画の代表作である、「志摩観光ホテル クラシック」(三重県志摩市)のダイニングルームを装飾する「野あそび」や、関西日仏学館に寄贈された「ノルマンディーの春」なども出展。さらに、キリスト教改宗後、「レオナール・フジタ」として生涯を賭けて挑んだ、ランスの「平和の聖母礼拝堂」の全容を、フジタ自身が制作した建築模型など貴重な資料やデッサン、ハイビジョン映像、当時と同じ材料を使って再現されたステンドグラスなどにより紹介する。
また、最晩年を過ごしたラ・メゾン=アトリエ・フジタを会場内に再現。アトリエに残された手づくりの多彩な家具や食器、小物、人形、マケットなど、豊富な生活資料も併せて公開し、画家の知られざる横顔にもスポットを当てる。
同ミュージアム担当者は「80年間所在不明だったフジタの幻の大作壁画4点を関西初展示する。この壁画は開催終了後フランスに返却されるため、日本国内で見ていただくには当会場が最後のチャンス」と話す。「晩年を過ごしたアトリエを会場内に再現し、フジタ手作りの生活用品なども展示。またフジタが手がけた『平和の聖母礼拝堂』のフレスコ画の下絵や、自作の建築模型なども展示する」とも。
開館時間は10時~20時(最終日は17時閉場。入場は閉場30分前まで)。入場料は、一般=1,000円、大高生=800円、中学生以下無料。今月28日まで。