神戸・東遊園地で阪神淡路大震災追悼イベント-市長「安全で安心な街づくりを」

全国から「希望」「笑顔」などと書かれた6,434本の竹灯籠が集まった

全国から「希望」「笑顔」などと書かれた6,434本の竹灯籠が集まった

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 東遊園地(神戸市中央区加納町6)で1月17日、神戸市民と神戸市の連携により「神戸市震災15年追悼の集い」が開催された。

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 同活動は17日で阪神・淡路大震災から15年を迎えるにあたり、犠牲者への慰霊と鎮魂、震災から生まれた「きずな・支えあうこころ」を次世代に語り継いでいくために開催されたもの。東遊園地グランドで6,434本の竹灯籠(とうろう)を「1.17」の形に並べろうそくに点灯。各地から集まった竹灯籠には「希望」「祈」「笑顔」などさまざまなメッセージが書き込まれた。

 震災が起こった5時46分には参加者全員による黙とうが捧げられ、「慰霊と復興のモニュメント」周辺の献花所で遺族や市長らが追悼のあいさつと献花を行った。震災で弟を亡くしたという森祐理さんが「しあわせ運べるように」を歌った場面ではギャラリーからも合わせて口ずさむ歌声も聞かれた。

 震災で祖母を亡くした遺族代表の下浦裕美さんは「この日が来る度にあのときのことがついこの間のことのように鮮明に思い出されて涙が出る。わたしの家も全壊で近所の家も軒並みつぶれていて近くでは火の手も上がり近くの公園に避難。悪い夢を見ているのではないかと思った」と当時を振り返る。その後祖母の死を知り、しばらくは立ち直れなかったという下浦さん。「震災を知らない子どもたちやこれから生まれてくる子どもたちにも、震災が決して風化することのないようにずっとずっと伝えていきたい」とも。

 献花に訪れた神戸市の矢田立郎市長は「昨年、国内では台風9号による集中豪雨や海外ではつい先日ハイチで大きな地震が起こるなど、各地で大きな災害が発生しており、わたしたちは常に災害の脅威と背中合わせにあることを痛感させられる。震災復興の過程で生まれた人と人とのきずなを忘れずに安全で安心な街づくりを目指し最善を尽くしていく」と話す。

 1998年1月17日に追悼やこれからの復興に祈りを込めて竹灯籠が始まり、2000年には東遊園地の一角に「慰霊と復興のモニュメント」が完成。2005年には世代や場所を超え多くの人々に「やさしさ・支え合う心」を伝えるため各地の災害で被災した人々への募金活動やメッセージ集めも会場で行われた。

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