北野のヴォーリズ建築に若手アーティスト15人が作品持ち寄る

壁一面の装飾で演出される洋館

壁一面の装飾で演出される洋館

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 「ひょうご建築100選」にも選ばれ、故ウィリアム・メリル・ヴォーリズが1931(昭和6)年に建てた洋館「旧ナショナルシティバンク神戸支店社宅」(神戸市中央区北野町1)で現在、アーティストによるアートイベントが開催されている。

総合責任者でイラストレーターの山下ショウコさん

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 同イベントは北野かいわいの活性化を目的に、「若手アーティストの作品紹介の場を提供したい」という建物オーナーの計らいで期間限定を条件に実現したもの。総合責任者でイラストレーターの山下ショウコさんが企画し、賛同する若手アーティスト15人が作品を持ち寄った。

 「ART Vories!」プロジェクトと題し、建物内部をまるごとアートで埋め尽くすことを狙う。歴史ある洋館内部を「洋館に住む女の子」「不思議の国」「KOBE」と3つのエリアに分け、アーティストそれぞれの感性が選んだ洋画、水彩、陶芸作品などジャンルを問わず展示した。

 山下さんは「歴史ある建物なので、企画検討の時点では少しプレッシャーを感じたが、部屋の壁一面に装飾してしまうなど、思い切った演出ができてとても満足できている」と話す。

 開催初日の開場30分後には早速、ヴォーリズ建築の研究者が、普段公開されることのない洋館への関心から来場した。観光で北野界隈を散策していて案内版を見て偶然立ち寄った学生など来場の動機はさまざま。中には「展示準備を夜中まで大勢の若手アーティストが行っているのを見ていたご近所の方が、一体どんなものができあがるのか心配で来場された方も」と山下さん。

 ヴォーリズ氏はアメリカ合衆国生まれの建築家で、関西学院大学など関西圏に多くの建築物を残した。メンソレータム(現メンターム)で有名な近江兄弟社(滋賀県近江八幡市)設立者の一人でもある。

 開館時間は10時~17時。入館無料。8月8日まで。

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