女性限定入浴イベント「乙女温泉」が3月11日、垂水の温泉施設「ジェームス山天然温泉 月の湯舟」(神戸市垂水区青山台7、TEL 078-752-2619)で行われる。
同イベントは、乳がん経験者でもある渡辺愛さんが代表を務める乳がん経験者のためのコミュニティー「Reborn.R(リボンアール)」(尼崎市)が企画。同団体は、罹患(りかん)経験者の生き方が勇気と希望になるよう、リアルな経験談の聞き取りをはじめ、再び自分らしく輝きたいと願う女性たちがチャレンジできる場と機会を創出している。
国立がん研究センター「がんの統計 2022」によると、乳がんは日本人女性が罹患するがんの中では最も多く、9人に1人が乳がんになっているという。年間約9万人が新規に罹患し社会復帰をする人が増える一方、手術跡や治療による脱毛に悩み、女性としての自信を喪失したり、手術跡や脱毛を目にした人を怖がらせてしまうのではないかと思ったりするという理由から、温浴施設を利用できないという人も少なくないという。
「治療も頑張る、女性としての自信も取り戻す。いつまでも乙女で」をコンセプトに「乳がんなどの治療による胸の傷跡や化学治療による脱毛に悩む女性が気兼ねなく温泉を利用できる機会になれば」と始まった同イベントは、全国のがん経験者からの問い合わせを受け、これまで同じ志の仲間と協力しながら兵庫、大阪、新潟、北海道、京都、群馬、東京、福岡の全国15カ所で計24回行われ、神戸では初開催となる。
当日は、「女性としての生き方」「身体(からだ)への思い」を分かち合う交流会、資生堂美容室による「ファッションとして楽しむウィッグ」のレクチャーを行うほか、参加者がコミュニケーションできるようにランチ会も行う。入浴時間中(10時~11時)は全館貸し切りにする。希望者は14時からのヨガイベントに参加できる(別途申し込みが必要)。
同施設を経営する「オーユージェイ」(青山台7)社長の井植剛さんは「乳がん経験者の方、術後初めて温泉に入る方々はもちろん、自身は罹患していないが乳がんを知っておきたいという女性にも参加してもらえれば」と話す。「当施設は温泉入浴を楽しんでいただくのはもちろんのこと、これからも身近な課題に取り組み、人と人とのつながりを大切に『人を幸せにするきっかけづくり』をテーマに地域貢献を継続していきたい」とも。
開催時間は10時~13時30分。定員は30人。申し込み先着順。参加費は2,500円(入浴料含む、ランチ付き)。申し込みは「Reborn.R」ウェブサイトの専用フォームで受け付ける。