神戸電子専門学校(神戸市中央区北野町1)で12月17日、ETロボコンを目指す専門学校生チーム「電子くん」の納会が行われた。
マイクロプロセッサー「NXT」が組み込まれた「教育用レゴ マインドストーム」
ETロボコンとは、「ETソフトウエアデザインロボットコンテスト」の愛称。日本の産業競争力に欠くことのできない重要な「組み込みシステム」分野における技術教育をテーマに行う同コンテスト。レゴブロックとコンピューターを使ってロボット工作とプログラミングを体験する学習教材「教育用レゴ マインドストーム」に、UML(Unified Modeling Language)などで分析・設計したソフトウエアを搭載し指定コースを自律走行させて競う。
同校は2008年から5年連続同コンテストに出場。これまでに3度、チャンピオンシップ大会(全国大会)への出場経験を持つ。同校のIT分野教員・江口良一さんは「2008年に当校で『ロボット展』を開催することが決まり、ハードではなくソフトウエア分野の技術で作り上げるロボットを探していた。その際、このコンテストを知り挑戦することになった」と出場のきっかけを語る。
現在のメンバーは江口さんを筆頭に、ITスペシャリスト学科(3年制)2年生の押部弘平さん、笠松侑太さん、大舘英和さん、吉田祐哉さん。今年の9月16日に行われた関西地区大会では、社会人や大学院生チームに交じって唯一の専門学校生チームとして出場。惜しくもチャンピオンシップ大会への出場は逃したが、「新しい技術チャレンジをしながらモデリングや設計を行っており、その意欲と今後の成長が期待できる」との評価を得て、モデル部門「IPA賞」を受賞した。
納会では、今年の反省点を挙げながら、来年の目標である「チャンピオンシップ大会への出場」について語り合った。出場したメリットについては、「プログラミング能力がアップした」「現役の社会人との技術交流が図れた」「就職活動に生かすことができる」などの意見も出された。
江口さんは「大会までは自分たちの時間が減ってしんどい時もあったと思うが、それを乗り越えて技術的にも人間的にも成長した。最後までやり遂げたことを自身が成長する一つの材料にしてほしい」と話す。「チャンピオンシップ大会で優勝した社会人チームには、初代『電子くん』メンバーもいる」とも。