神戸らんぷミュージアムで「水墨南画」展-水墨画60点を展示

石黒柏堂さんの作品「法起寺」

石黒柏堂さんの作品「法起寺」

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 神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で2月10日、3回目となる企画展「水墨南画(すいぼくなんが)展」が始まった。

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 同展は神戸水墨画同好会の石黒柏堂さんと生徒約60人が作品を出展する企画展で、約60点の作品を展示する。そのほとんどが掛け軸や額に入った大きな作品のため、展示スペースに入りきらなかった作品については廊下に展示する。

 水墨南画は、水墨を基調にした東洋画で中国から渡来した南宗画が元となり江戸時代に日本独自の南画として確立した技法で描かれた絵画。その後日本画や洋画の写生手法を取り入れ、墨の濃淡と動静で心中を表現し、色彩も用いながら時代性や個性を追求しているものを現代南画という。

 石黒さんは現在約90人の生徒を抱える同会の講師を務めている。「私がすることは生徒が水墨画を描くことの道案内をするだけ。だから自分の絵を見本に生徒に描かせることは少ない。筆の使い方のみを教えて、型にはまらない、個性のある絵を描いてほしい」と話す。初心者は「濃(のう)」「中」「淡(たん)」の3種類の墨を用意し、「蘭」「竹」「菊」「梅」の順にすべての基本となる筆遣いから学ぶという同会。それには「水墨画は目で見て、心で感じたものを表現するものだから、基本を覚えたら人に頼らず、できるだけ自分で書けるようになってほしい」(石黒さん)という思いが込められている。

 「当てもなく絵を描いているよりも、『誰かに見せる』前提があると、少しでもいいものを書きたいという思いがこみ上げてくるのが人間なので、作品展を開くことは上達への近道。何事も目的が大切」と話す石黒さん。来場客には「水墨画とは見る相手に感動を与えるもの。見る人がいいと思ったら、誰が書いたものであろうと宝物になる。批評にとらわれず自分で見ていかに感動できるかを体験してほしい」とも。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月22日まで。

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