神戸市立博物館(神戸市中央区京町、TEL 078-391-0035)で10月13日、「メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神」が始まった。
ニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する約3万点のエジプト・コレクションの中から「女性」をテーマにした約200点が「来日」し、先に上野公園・東京都美術館(東京都台東区)で開催された同展。全展示品が日本初公開で、古代エジプトにおいて最も重要な女性ファラオとして知られるハトシェプスト女王にまつわる品々や、愛と美と豊穣(ほうじょう)をつかさどるハトホル女神(じょしん)をはじめ、当時の人々からあつい信仰を集めた女神(めがみ)たちの像やレリーフ、王家の女性たちを美しく彩った豪華な装身具、デザイン性にあふれた化粧道具などを紹介する。
館内は、「ファラオになった女王ハトシェプスト」「愛と美の女神ハトホル」「信仰された女神たち」「王妃、王女たち」「王族の装身具」「王族の化粧道具」「来世への信仰」と7章に分け構成。ハトシェプスト女王葬祭殿を飾っていた巨大なハトシェプスト女王像の頭部のほか、王の書記であり上下エジプト2つの穀倉地帯を統括していた監督官のために造られたとされる「イシス女神とアシュートのウプウアウト神の像」、T字型に作られた王妃の冠「二つのガゼルの頭がついた冠」、紀元前10世紀に制作されたと推測されるひつぎ「アメン・ラー神の歌い手ヘネトタウィの人型内棺とミイラ板」などを展示する。
音声ガイド(収録時間=35分、貸出料金=520円)のナビゲーターは、女優で2児の母でもある木村佳乃さん。会期中の10月26日・27日には、閉館後の展覧会場を舞台にした謎解きイベント「ナイト・ミュージアム~女王と王女の麗しの秘宝~」も行われる。
初日に行われた開会式では、主催する神戸市の久元喜造市長をはじめ、梶本日出夫館長、今回が初来日のメトロポリタン美術館古代エジプト部門長・ダイアナ・クレイグ・パッチさんらがテープカットを行った。久元市長は「本当に素晴らしい古代エジプト美術の数々をたくさんの市民の皆さんに楽しんでいただきたい。ぜひ、この芸術の秋に全国からもお越しいただければ」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時30分(土曜は19時まで)。月曜休館(祝日および12月22日・29日は開館、12月31日・1月1日は休館)。入館料は、一般=1,500円、高大学生=1,100円、小中学生=600円ほか。来年1月12日まで。