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神戸・乙仲通りに新刊と古書を扱う書店-クラウドファンディングで資金募り開業

「書肆スウィートヒアアフター」店主の宮崎勝歓さん

「書肆スウィートヒアアフター」店主の宮崎勝歓さん

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 神戸・元町の乙仲通りに12月1日、新刊と古書を扱う書店&ギャラリー「書肆(しょし)スウィートヒアアフター」(神戸市中央区海岸通4、TEL 078-381-6675)がオープンした。

店内の様子

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 店舗面積は8坪。白を基調とした店内の片方の壁には水色や黄色の棚、出資者の本を扱う貸し棚などを設ける。もう片方の壁一面は美術館のように作品を遠近どちらからも鑑賞できるよう、ゆったりとしたギャラリースペースとして活用。5人前後が座れる机と椅子も用意し、のんびりと読書や打ち合わせに使えるスペースも設けた。店名には、店主・宮崎勝歓さんの好きなアトム・エゴヤン監督のカナダ映画「スウィートヒアアフター」を冠した。

 小学生のころから本を読むのが大好きだったという宮崎さん。3年間の新刊書店勤務をする中で、情報や人が多すぎて毎日何かと「出合っている」と同時にそれ以上の「出合い損ね」を繰り返しているのではないかと感じていたという。大規模書店では、「本の山の中」で埋もれてしまい、中小規模の書店では入荷自体がない大半の書籍。そんな「存在するが見つけられない本」に1人でも多くの人が出合えることを期待して、「人と本との出合い」「人とアートの出合い」「人と人との出会い」をコンセプトにした品ぞろえを心掛ける。

 古書は小説と歴史学がメーンの手持ち2000冊、新刊は問屋を通さず直接出版社と取引した時事的な話題を含める人文社会科学中心。マイノリティーの尊重、多様性と寛容の精神の擁護をテーマにした作品なども扱う。書籍の価格は300円~。

 開業に当たり、クラウドファンディングで資金を調達。2カ月間で全国の80人が賛同し、目標金額100パーセントを達成した(支援額は110万円以上を記録)。宮崎さんは今後、書店バイトと同店の運営を掛け持ちで行うという。

 「名も無き個人のプロジェクトに賛同いただき、反響の大きさに感謝したい」と宮崎さん。「世間には無数の書籍があふれ、ほとんどの人が本当に読みたい本と『出合い損ね』ている。小さな書店ではあるが、少しでも良い『出合いの場』となれば幸い」と来店を呼び掛ける。

 営業時間は15時~20時。

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