神戸北野ホテル総支配人・総料理長の山口浩さん、「神戸学校」で講演

ステージ上で調理をする山口さん

ステージ上で調理をする山口さん

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 フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が3月14日、神戸北野ホテル総支配人で総料理長の山口浩さんを講師に迎えてエスパスフェリシモホール(須磨区)で開催された。テーマは「サービスとは提供する側も楽しむこと」。第1部で講演、第2部ではステージ上で調理や質疑応答が行われた。

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 23歳でホテルに就職し、28歳のとき「どうしても本物のフランス料理を見たい」と渡仏した山口さん。パリから250キロ離れたフランス・ソーリューの三ツ星レストラン「ラ・コート・ドール」で自身が「生涯の師匠」と話すベルナール・ロワゾーさんの下でフランス料理を学んだ。32歳のとき、同店の日本進出で総料理長を任され帰国したが、3年後の阪神・淡路大震災で同店は撤退。その後2000年に新装オープンした同ホテルの総支配人、総料理長に就任し現在に至る。

 第1部では、山口さんは自身が提唱する小麦粉やバター、生クリームを抑えた「水のフレンチ」について、「師匠であるベルナール・ロワゾーさんの考えと、お客様が求めているもの、自分たちのテクニックを使って『水のフレンチ』を作り上げた。『フランス料理=重たい』というイメージがあるが、今は軽くなっていっている」と話す。

 経営者として調理場作りには力が入ったという山口さんは、同ホテルのレストラン利用客に調理場を公開している。「ヨーロッパでは働く人間のことを考えた調理場作りをするのが当たり前。スタッフには料理とお客様のことだけを考えられる働きやすい環境で働いてほしい。調理場を公開したのは、改装時に最新の設備を取り入れたので皆さんに見てほしかったという気持ちも(笑)」とも。

 第2部では実際にステージ上にIHコンロを特設し、料理を披露した山口さん。メニューは「サーモンのチーズパン粉焼き ポテトのドレッシングソース」で、サーモンの焼き上がりには余分なバターをペーパータオルで落とす工夫も。試食した参加者の女性は「ポテトの中の歯応えと酸味のマリアージュ(融合)がおいしい」と称賛した。

 最後には、会場からの質問に山口さんが答える質疑応答も行われた。「小学生の子どもをフランチレストランへ連れて行きたいが、学んでおかないといけないマナーは何か」と聞かれ、山口さんは「他の人に迷惑をかけないことが大前提。でも楽しい時には声を出して笑っていただきたい。お子様には、まずフランス料理を楽しんでほしい」と答えた。

 フェリシモの主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で143回目を数えた。参加料は全額、「あしなが育英会」の神戸レインボーハウス運営支援に活用される。

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