世界規模の平和イベント「アースキャラバン2015」のメーンプログラム「ピースサイクリング」のメーンサイクラーであるスーザン・エディさんが7月10日、中継地となる「神戸ポートタワー」(神戸市中央区波止場町)を出発した。主催はNPO法人ユニ(京都府京都市)。
各地で四大宗教者たち(仏教・キリスト教・イスラム教・ユダヤ教)が平和を祈念し、戦争で犠牲になった全ての人々のために合同で追悼の合唱をする同イベント。メーンプログラムとして、原爆が投下されてから今日まで燃え続けてきた原爆の残り火「平和の火」を広島から東京まで自転車で運ぶピースサイクリングを敢行している。
「平和の火」は東京から空路でヨーロッパに届け、アウシュビッツなど戦争の惨禍があったヨーロッパ各都市でともされ、今なお紛争の絶えない最終目的地パレスチナ・エルサレムに届ける。「平和の火」を前に、国籍や人種や宗教の違いを乗り越え、世界から戦争を無くすことを誓い合い、その誓いを世界中に発信していくという世界初の試みとなる。
ピースサイクリング顧問には、被爆2世でもある高橋要一さん(アンデックス チーフプロデューサー)が就任。自転車で全区間(広島~東京)約950キロを走破するメーンサイクラーには、イギリス人女性のスーザンさんが唯一の被爆国・日本の「平和の願い」を世界に伝えたいと手を挙げた。
同サイクリングの中継地点は、岡山、兵庫、京都、滋賀、名古屋、静岡、神奈川。スタート地点となった広島・平和記念公園周辺(7月5日)と中間の中継地点の京都・知恩院 円山公園音楽堂(同12日)では、「平和と祈りの祭典」が行われた。全区間の延べ参加者数は80~100人を予定。俳優の鶴見辰吾さんが主宰する自転車チーム「LEGON」もスーザンさんの走破をバックアップ。鶴見さんも広島・中央公園ハノーバー庭園から広島空港までの第1区間を仲間と共に並走した。
スーザンさんは「『平和の火』は生き物。原爆で亡くなられた人の痛みや希望が込められている。アースキャラバンのテーマソング『SHARE!(シェア)』が意味するように心と心をつないで平和への思いを共有することで自然と争いが無くなっていくと思う」と話す。「自分一人ではなく多くのサポーターが支えてくれている。ゴールまで気持ちをシェアしてがんばる」とも。
同実行委員会ピースサイクリング担当の杉本越音さんは「スーザンさんを含め、実行委員会のメンバーは自転車については素人で長距離サイクリングについての知識もスキルもなかった。さまざまな方の協力を得て、こうして走ることができていることに感謝の気持ちでいっぱい。この活動を一人でも多くの方に知っていただき、皆さまに何かしらを感じ取っていただけたらうれしい」と話す。
19日には、国内でのゴールとなる東京・増上寺で「平和と祈りの祭典」のほか、ピースコンサート、チャリティーマーケットなどのイベントを予定。問い合わせはNPO法人ユニ(TEL 075-551-2770)まで。8月12日まで。