兵庫県出身の現役大学生が、8月16日～20日に開かれるチェコ・リベレツで開催されるフリースタイルフットボール世界選手権「Super Ball 2016」に出場する。

パフォーマンスの様子

　フリースタイルフットボールとは、リフティングやドリブルなど、サッカーの技術に音楽などの芸術的要素を組み合わせたパフォーマンス。オランダのストリートサッカーが起源ともいわれており、大道芸やショーケースとして発展してきた。2003年にスポーツメーカー「ナイキ」がキャンペーンとして始めたのがきっかけで世界約53カ国に広まり、近年は各地で大会が行われるなど、競技としての面も強くなっている。

　「Super Ball」は、2009年にチェコ・プラハで初開催。少しずつ規模を拡大しながら毎年夏に開かれ、現在では世界各国から200人以上のトッププレーヤーが集結する注目の大会となっている。

　同大会に出場するのは甲南大学（神戸市東灘区）経営学部2年生でプロフリースタイルフットボーラーのIbuki（本名＝吉田伊吹）さん。学業とプロ活動を両立しており、「ヴィッセル神戸」ホームゲーム会場をはじめ、関西を拠点に全国各地でパフォーマンス活動や普及活動を行っている。2014年、FIFAブラジルW杯で選手入場セレモニーの旗手を務め、2015年にはG-SHOCK主催の大会で日本一に輝いたほか、同大会への初出場も果たした。

　Ibukiさんは「去年出場した際は、第一線で活躍している選手たちが僕の何倍も時間をかけてきて積んだ『経験の部分』での差を埋めたいという思いだった。得たものはたくさんあったが、大会成績は残念なもので悔しさが残った。しかし、未熟なりにも世界のフリースタイラーたちにインパクトを与えることもできたんじゃないかと思っている。リベンジとなる今年は、BattleとShow Flowの2種目でしっかり自分を出して戦ってきたい」と意気込む。

　7月27日、「こどもの心を育てる神戸のサッカースクール『クレセル』」に参加する子どもたちと交流するために神戸市生涯学習支援センター（愛称＝コミスタこうべ、中央区吾妻通4）に訪れたIbukiさん。同スクール代表の藤木鉄平さんは、チェコ渡航費や14日間の現地滞在費などの資金を集めるためのクラウドファンディングを立ち上げるほか、さまざまなサポートをしている。

　藤木さんは「子どもたちにもフリースタイルフットボールという新しいジャンルを知ってもらい、次世代の選手を育てていくきっかけになれば」と話す。