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映画「ゴンドラ」30年ぶり上映、神戸では初 監督舞台あいさつも

公開初日の初回上映後には、伊藤智生監督が舞台あいさつに登場

公開初日の初回上映後には、伊藤智生監督が舞台あいさつに登場

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 ミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で7月8日、映画「ゴンドラ」のリバイバル上映が始まった。

公開初日は伊藤智生監督との交流会も

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 30年ぶりの再上映で神戸では初上映となる同作。監督は伊藤智生監督。中学時代から映画監督を志していたという伊藤さんは1976(昭和51)年、森﨑東監督作品「黒木太郎と愛の冒険」の撮影に参加、1979(昭和54)年にミニシアター「クリエイティブ・スペースOM」を東京・六本木に開設し、多くの自主映画作家を応援しつつ、自らも映画や演劇活動に従事した。同作品は伊藤監督が中心となり20代のスタッフとともに80年代初めから独立プロを設立し製作した初作品となる。

 伊藤監督が「話題性に頼ることなくテーマ主義を貫き、映画が映画でしか成し得ない本当の独創性を意識した創作姿勢にこだわった」という同作は1984(昭和59)年、5000万円の借金をして制作し、1986(昭和61)年4月に完成した。1987(昭和62)年10月にホールを借りて特別上映し好評を博し、1988(昭和63)年4月に劇場公開された。国内上映では著名人から評価を得たほか、海外の映画祭でも多数の賞を受けた。

 主演は上村佳子さん、界健太さん。助演に、木内みどりさん、佐々木すみ江さん、佐藤英夫さん、出門英さん。鈴木正幸さん、長谷川初範さんも友情出演している。

 離婚した母に引き取られた笑わない少女・かがり(上村さん)と上京して高層ビルの窓拭きで身を立てる青年・良(界さん)。都会で孤独に生きる2人の出会いと失われたものを求める「魂の旅路」を描くストーリー。

 伊藤監督によると、同作品のネガフィルムが、保存されている間に劣化が進んだことや自身が還暦を迎えたこと、公開当時に評価してくれた人たちの言葉など、さまざまな理由から同作品に次ぐ新作を制作する覚悟の意味を込めて、昨年、デジタルリマスター版を製作したという。今年1月に東京で封切られ、名古屋、大阪、京都、兵庫を巡回しロングラン上映を行っている。同館ではデジタルリマスター版ではなく、35ミリフィルムで上映する。

 公開初日の初回上映後には、伊藤監督が舞台あいさつに登場。伊藤監督は「今回のリバイバル上映は、60年間の人生のけじめ。30年ぶりに新作を撮る覚悟ができた」と話した。

 料金は、一般=1,500円、学生=1,000円、シニア=1,100円。7月21日まで。

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