火災により臨時休業していた神戸・三宮の老舗自転車店「ヤマダサイクルセンター」(神戸市中央区三宮町1、TEL 078-331-2712)がリニューアルオープンして1カ月が過ぎた。
1907(明治40)年、自転車部品卸業として創業した同店。1945(昭和20)年の神戸大空襲で創業に関する資料などが焼失したが、昭和20年代に競輪で使う自転車の整備などを行った際の許可証や徳川宗家16代当主・徳川家達(1863~1940)から贈られたという「信為萬事本 為山田君」と書かれた掛け軸が残っている。戦後、神戸市役所向かいから現在の場所に移転。その後、卸業から小売店へ転向した。
山田悦生(えっせい)さん(28)が5代目店主となった年の2012年11月22日に改装した同店だったが、今年2月23日、店内からの出火によって店が全焼。休業を余儀なくされたが、早々に店舗前にテーブルを置き、客の問い合わせ対応を行った。3月9日からは店頭で点検、整備、修理などの仮営業を再開。SNSに連日、数多くの激励が届く中で復旧を急ぎ、約4カ月で営業再開にこぎ着けた。
モノトーンを基調とした店内には、本格的なロードバイクから街乗り自転車まで常時120台以上をそろえ、ライトなどの小物や自転車パーツなども用意。「PINARELLO(ピナレロ)」「TREK(トレック)」「SCOTT(スコット)」「Specialized(スペシャライズド)」「GIANT(ジャイアント)」「Bianchi(ビアンキ)」「LOOK(ルック)」「BMC(ビーエムシー)」などのブランドを取り扱う。
悦生さんは「火災に際しては、皆さまには大変ご迷惑をお掛けし、近隣各店舗も煙や悪臭により営業を中断する事態となってしまった。このような状況でも皆さんが声援を送ってくださり、なんとしてでも営業を再開しなければという気持ちになった」と話す。「営業再開初日からたくさんの方に訪れていただき、この1カ月で活気を取り戻せた。本当にありがたい」とも。
営業時間は10時30分~20時。水曜定休。