神戸の中学生サッカーチーム「サンターリオフットボールクラブ(SANTUARIO FC)」の選手による小学生向け練習会が9月26日で1年を迎えた。
谷川宗孝さん(JFA D級ライセンス取得)が代表を務める同チームは、近隣中学校にサッカー部が無いことから昨年発足。「部活動に比べてクラブチームはお金がかかる。練習場所が遠い場合は金銭的・肉体的負担がかかり、帰宅が遅くなることで学生の本分である学業に支障が出てしまう。そういった問題を解決するためにジュニアユースとして文武両道を目指すサッカーチームを作った」と話す。
サッカーを究めるためには人間性を育てることが近道になるのではと、「トレーニングなど日々の努力」「学業とサッカーの両立」「心の育成」をコンセプトに運営。生田川公園の多目的グラウンドを本拠地として、現在は28人の中学生が活動している。
大人が強制的にやらせているのではなく、自主的に始まったという同練習会。ボランティアコーチを務めているのは、同チームの谷川宗士さん(筒井台中学2年)、冨山拓豊さん(上野中学2年)、河田楽さん(同1年)。試合時期や学校のテスト期間以外は「筒井公園」(神戸市中央区筒井町2)や「福住公園」(灘区)などで、チーム練習がない毎週火曜(16時30分~17時30分)に地元の小学生へ指導を行っている。
チームの練習メニューをベースに中学生が自らオリジナルメニューを考え、基礎練習とミニゲームを実施。参加している小学生たちはジュニアチームにも所属しているが、毎週行われる同練習会を特に楽しみにしており、中学生らも指導することに前向きだという。
谷川さんは「ボランティアコーチをしている選手は、サッカーで兵庫県や神戸市のトレセンに選出されており、学校の成績も優秀。まさに文武両道を実践している。中学生による小学生向け練習会を1年続けてきたが、あくまでもまだ実験段階。この取り組みで個々の心の成長が証明できれば、チームメンバー全員にボランティアコーチのような地域と一体化した活動の機会を与えていきたい。そうすることがサッカーの活性化にもつながるのでは」と話す。