神戸・元町駅南側「穴門商店街」に7月28日、喫茶店「パーラークニヲ」(神戸市中央区元町通1、TEL 050-5338-3145)がオープンした。
2階は、コーヒーやビール、軽食などを提供する喫茶店。1階はテークアウトをはじめ、雑貨の販売、ギャラリースペースを設ける。50年代のフランスにあるカフェをイメージした店内にはアート作品も並び、神戸に根付いた喫茶店文化を融合しつつ、これまでにあるようでなかった「ニュー喫茶」として開いた。
店主は、学生時代から20年以上、カフェでの接客、調理、運営全般に携わってきた高見友子(通称=ドラ)さん。「昔ながらの神戸の喫茶店は皆が好む定番メニューを提供しながらも店舗ならではの味・空間・個性を持っている。地元のおじさま、おばさま、若いカップルなど、いろんなお客さまが集まる神戸の喫茶店が好きで、そんな店を神戸に作りたいと思った」と話す。
「駅前の立地で個人店を開くのはハードルが高かったが、たくさんのご縁が重なり、協力してくださるチームができた」と高見さん。トータルディレクターに「GINZA SIX」の大型レストラン「銀座大食堂」のプロデュースなどを手掛ける「DoBeCompany」社長の飯島広昭(通称=EZ)さんを迎え、神戸のクリエーターらと共同で同店を作り上げた。内装やオリジナル食器の製作などの費用は、今月30日までクラウドファンディングでも募っている。
ロゴアートをはじめ、オリジナルのコーヒーカップ、プレート、サンドイッチのフラッグ、おしぼりなどのデザインは画家・鈴木剛(通称=タケ)さんが手掛け、店内には鈴木さんのアート作品が数多く並ぶ。口ひげとちょうネクタイが特徴の同店メインキャラクター「クニヲおじさん」も鈴木さんの作品。実在していないクニヲおじさんだが、世界中を旅しながら店をどこかでひっそりと見守ってくれているような存在として店内にさまざまな痕跡を残している。
オリジナルコーヒーカップは、飲むと口ひげが付いているように見えるデザインに。メニューはニュースペーパーをイメージし、客が新聞を読みながらくつろいでいる風景になるように工夫した。シーズンごとに内容が変わるという同メニューは、持ち帰ることもできる。音楽好きという高見さんのこだわりも各所にちりばめられている。
席数はテーブル16席、カウンター6席、階段の踊り場を活用した半個室「クニヲルーム」はソファ席8席を用意し、最大30人の貸し切りにも対応する。
世界中を旅するクニヲおじさんが各国で出合った料理「クニヲワールド」メニューは、「トアロードデリカテッセンのソーセージドッグ」「ハムバターサンド」(以上900円)、「島原工房ハムのナポリタン」(950円)など。ブーランジェリームラタの炭食パンと北坂養鶏場の卵を使った「淡路島北坂たまごのサンドウィッチ」(750円)、「2トーンチーズケーキ」(550円)など手作りにこだわったメニューを用意する。
ドリンクは、「コーヒー(クニヲブレンド)」「ジャン・コクトー・コーラ」(以上450円)、クラフトビール各種(650円)などをそろえる。
高見さんは「いつか2店舗目を東京で開きたいと思っている。チームクニヲで作り上げたクニヲブランドが一人歩きして、各地に広がっていってほしい」と話す。「9月20日は『920(クニヲ)』の日として、毎年イベントを開く予定なので楽しみにしていただければ」とも。
営業時間は11時~22時(1階は20時まで)。