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神戸発防災音楽ユニット「ブルームワークス」がスマトラ沖大地震の被災地訪問

神戸発防災音楽ユニット「Bloom Works(ブルームワークス)」がスマトラ沖大地震の被災地・インドネシアのアチェ州シムル島を訪問した

神戸発防災音楽ユニット「Bloom Works(ブルームワークス)」がスマトラ沖大地震の被災地・インドネシアのアチェ州シムル島を訪問した

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 神戸発防災音楽ユニット「Bloom Works(ブルームワークス)」が11月25日~28日、スマトラ沖大地震の被災地・インドネシアのアチェ州シムル島を訪問した。

地元新聞の一面を飾った「Bloom Works」

 防災大学院修士号取得者でボイスパーカッション担当のKAZZさんと、防災士でボーカル&ギター担当のシンガー・ソングライター、石田裕之さんによる同ユニットは、「音楽で防災を身近にしていき、笑顔の花を咲かせる」ことをテーマに、神戸から全国へ向けて音楽活動を展開している。今年4月6日は、「みなとのもり公園(震災復興記念公園)」(神戸市中央区小野浜町)で音楽を通じた防災・減災の啓発を目的に行うフェス「BGM(ビージーエム)スクエア」を初開催し、来年4月11日には2回目を開催する予定。

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 2004(平成16)年と2005(平成17)年に発生し、22万人の犠牲者が出たスマトラ沖地震。現地の関係者によると、震源に近かったシムル島は地震発生直後に津波が押し寄せたが、亡くなったのは7人だったという。シムル島には100年前の津波の教訓を伝承歌にした「スモン(Smong=シムル語で津波を意味する)」があり、住民のほとんどが知っていたことから多くの人が助かったのではないかといわれている。

 「日本国内では津波伝承歌『スモン』を知る人は限られており、研究する専門家も少ない」と石田さん。

 同ユニットは東日本大震災被災地の宮城県石巻市をこれまで70回以上訪れ、さまざまな支援活動に携わってきた。活動をスタートしたきっかけが「なかなか伝わらないメッセージを音楽で広められないか」との考えだったことから、スモンに実際に触れることで「音楽で防災を実現した文化や思い」を日本に持ち帰って広めようと訪問を決めたという。

 渡航費用の一部はクラウドファンディングによる支援とコンサート会場での募金で集めたほか、アチェ州に留学経験のある人やアチェ州の名士、アチェ州の震災遺児を支援する団体などからも協力を得て訪問が実現した。現地ではラジオや新聞など各種メディアでも大きく紹介され、バンダ・アチェ津波博物館、震災遺構の発電船、震災遺児を支援する「KSA」のスクールなどでのコンサートや交流を行った。

 KAZZさんは「津波博物館でコンサートを行った日本人プロミュージシャンは初めて(アマチェアを含むと2組目)と現地関係者に言われた」と話す。「シムル島では日本人初」とも。伝統的なスモンの継承者との対面も果たし、演奏を聴くだけでなく想定していなかったコラボ演奏もかなった。

 石田さんは「4日間で7本の飛行機を乗り継ぎ、ほとんど不眠不休のような弾丸旅行だったが、期待した何倍もの収穫を得られた。文化的、学術的にも貴重な資料となる情報も持ち帰ることができ、歴史の1ページと言っても過言ではない。日本の文献などは非常に限られ日本でスモンを聞くことも困難だが、来春開催のフェスでスモンを披露したいと計画している」と話す。「日本のスモン研究の第一人者の先生ともコンタクトを取らせていただいており、来年にはシムル島訪問について皆さんに報告する場を設けたい」とも。