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神戸在住の保育士起業家ら、「おやこ保育園」オンライン無償化へ

オンライン「おやこ保育園」のプログラム「こどもが主役の時間」で「やさい」をテーマに子どもたちが探求する様子

オンライン「おやこ保育園」のプログラム「こどもが主役の時間」で「やさい」をテーマに子どもたちが探求する様子

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 神戸在住の保育士起業家らが10月からの1期スタートに向けて「おやこ保育園」のオンライン無償化を目指している。

左から小竹めぐみさんと小笠原舞さん

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 「おやこ保育園」を運営するのは、保育士起業家で長田区在住の小笠原舞さん。2010(平成22)年、現役保育士だった小笠原さんと小竹めぐみさんが「1人でも多くの子どもの可能性を広げたい」という思いから活動を始め、2013(平成25)年に「子どもたちにとって、本当にいい未来を探求し続ける」を理念に掲げた合同会社「こどもみらい探求社」を設立した。

 活動開始からの10年間、3000を超える家族をサポート。「こども×◯◯」を軸に、さまざまな企業・地域・分野を越えて、コラボレーション事業を展開し、時代の変化に合わせたモノ・コト・ヒトを形にしながら、「子どもがよりよく育つための環境づくり」を行っている。小笠原さんは「数えきれないほどのさまざまな個性に、悩みに、問いに、感動的な瞬間に、立ち合う機会をいただいた」と話す。

 その中で自主事業として2014(平成26)年、月2回ほど親子で通う3時間のプログラム「おやこ保育園」(約半年で全10回)をスタート。開園後は子どもも大人も参加者全員がフラットな関係性を保ち、親子それぞれのペース・気分・性格などを尊重しながら学び合う取り組みが話題となり入園申し込みも後を絶たず、書籍「いい親よりも大切なこと ~こどものために、しなくていいことこんなにあった!~」(新潮社)も出版された。これまでに約1.5万部を売り上げ、韓国版も出版されている。

 順風満帆の「おやこ保育園」だったが、新型コロナウイルスの影響で今年の4月入園が保留になる。再開のタイミングを待っていたが、さまざまな要因が重なって現状維持で継続することが困難になり、同園の活動は関東13期、関西7期をもって休園を決めた。

 小笠原さんらは「毎年国内で生まれる子どもの数は85万人を超えており、新米ママや第二子以降のママがその分増え続ける。コロナ禍も収束のめどが立たず、リモートワークと共に家族の時間も増えたため、『子どもといる時間が良いものになるアドバイスが欲しい』という声も多い。リアルな場は休園したが、違うやり方でニーズに応えることができるのでは」と全国に向けたオンライン無償化への切り替えを決意した。

 「おやこ保育園」を事業と捉えるのをやめ、運営にかかる費用は「こどもみらい探求社」が引き受けることで無償化を実現。「ただ無料にするだけではつまらない」と、活動当初に小笠原さんと小竹さんたちが「子どものために何かしたい」と思ったように、「参加した親子が次の親子のための力になれる」恩送りの仕組み(ペイフォワード)を導入することで再出発を目指す。

 10月からの1期スタートに向けて必要なプログラム開発費、参加費の補助、オンラインツール使用費などは、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で10月14日まで支援を募っている。

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