神戸家具ブランドの伝統の技を守りながら職人の手によるオーダーメードの家具を製作する「永田良介商店」(神戸市中央区三宮町3、TEL 078-391-3737)が11月6日、リニューアルオープンする。
1872(明治5)年に道具商「永田良助商店」として開業した同店。西洋家具の修理を扱ううちに、ほどなくして家具の製造を始める。日本人の繊細な技術で作られる家具は居留地に住む外国人から評判を呼び、2代目良介の頃にはイギリスへ輸出されるようになる。欧州遊学をした3代目善従の時代に現在のデザインテイストを確立し、今日まで神戸家具を代表するブランドとして伝統と技術を継承している。
創業から、使い捨てではない「修理でき長年使い続けることのできる家具」を作ることを基本に、「きちんと修理できる技術・体制」を守り続けている同店。前回の改装から20年を経て、世の中の生活様式が変わったことで、時代に合わせたインテリアや生活空間を提案できる店舗したいという思いからリニューアルに踏み切った。
リニューアル後は、1階は家具以外のコンテンツの提案スペースを新設。家具を取り扱う2階では、生活シーン毎に則したゾーン分けし、よりゆったりと商談ができるように工夫した。
同店では、オーダー家具の作成・販売をメインに客の望む家具を設計図から引き、作成。1人掛けハイバックチェア(32万円~)、ダイニングテーブル(45万円~)など全ての家具がオーダーメードでき、1人掛けのフルオーダーサイズソファー、2~3人がけのオーダーサイズソファー、ダイニングテーブルのセットなどが人気という。
アームチェア(15万円~)、ソファ、サイドボード(以上25万円~)、マガジンラック(5万円~)など、自社のアンティーク家具も取り扱うほか、家具の修理、リフォームも行っている。
リニューアルオープンに合わせて新商品「R,nagata slippers(アール・ナガタ・スリッパーズ)」(1万8,000円、税別)を発表。同店で椅子の張り生地として使用しているヨーロッパのファブリックを用いたスリッパで、初回はメンズ、レディース合わせて60足を生産した。60足全て違う柄で作られているという。
6代目店主の永田泰資(たいすけ)さんは「リニューアルオープンに当たり、神戸家具の伝統を継承しつつ、現在の生活様式に合った店舗作りと、他の所では売ってないようなコンテンツを紹介できるよう心掛けた。新たな永田良介商店として皆さまに楽しんでいただきたい」と話す。
営業時間は11時~18時。水曜、第1・3・5火曜定休。