神戸・三宮センター街2丁目(神戸市中央区三宮町2)中央頭上に3月12日、新たなメッセージ大型タペストリーが掲出された。
新型コロナウイルスによる1度目の緊急事態宣言で経済的にも苦しい日々が続き、三宮の来街者数が激減していた5月15日。「街を訪れる皆さんも不安を抱えながら奮闘されていると思う。共感していただき、少しでも力になれば」と商業の街から商売人のメッセージ「私達は負けない」とフェニックスの絵をデザインした大型タペストリーを掲出した。
その後も「握手はできないけど 心はつながっているね」の文字、歌人・俵万智さんが書いた一文字「華」など通行人の目を引くタペストリーを次々と掲出。神戸で2度目の緊急事態宣言が解除され、ワクチン接種も始まったタイミングで新たなデザインのタペストリーがお目見えした。
三宮センター街2丁目商店街振興組合・企画担当理事の藤井淳史さん(「毛利マーク」社長)は「この1年、新型コロナに関するさまざまな情報や意見が飛び交い、これまで当たり前だと思っていたことがいとも簡単に崩れ、これまで先延ばしにしてきた社会課題があらわになってきた。組合メンバーとの話し合いの中で『今求められるのは一人一人の深い考えと自覚ある行動ではないか』という意見にまとまった」と明かす。
「街を行き交う市民の皆さんとともに考えるきっかけづくりになれば」との思いから、「コロナ禍、どう考える?どう行動する?」の文字と過去の偉人を配したデザインにした。大型タペストリーのサイズは幅3.5メートル×高さ4メートル。
同商店街では、阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた三宮の復興をアートの力で支え、恩返しようと2006(平成18)年からアートストリート構想、道幅8.5メートルの通りを生かしてアート作品を地面に収蔵するストリートミュージアムを継続。タペストリー掲出のタイミングに合わせて同商店街公式ホームページのデザインや構成を一新し、「新型コロナウイルスの影響で元気のない現状にアートの力で癒しを感じていただき、まちの魅力再発見のきっかけになれば」とストリートミュージアム作品の再発信を行っている。