神戸を舞台にした絵本「スマバレイの錆(さ)びれた時計塔」の先行予約販売が9月21日、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で始まった。
ライターやコンテンツディレクターとして活動する神戸出身のゴンドーマサキさんが2018(平成30)年に書いた短編小説が原作の同絵本。神戸の須磨・塩屋エリアをモデルにした架空の小さな町「スマバレイ」が舞台で、町の象徴だった時計塔を撤去することからストーリーが展開する。
ゴンドーさんは「この作品には『世の中には不可抗力の出来事や理不尽なことが起きるもの。その時に、何を考え、どのような行動を起こすかが大切』というメッセージを込めている。コロナ禍以前に書いた作品だが、新型コロナウイルスの感染拡大により行動が制約されてしまっている今、改めて子どもたちにメッセージを伝えたいと思うようになった」と明かす。
挿し絵はイラストレーターのhareさんが担当した。「神戸や須磨・塩屋を訪れたいと思うきっかけになれば」と、絵本には実在する風景を取り入れる。
絵本の製作費としてクラウドファンディングで10月21日まで支援を募っており、目標金額30万円を目指している。支援コースは1,000円からで、リターンとして、完成した絵本をはじめ、ポストカード、メイキングフォトブック、「絵本の世界に似顔絵で登場できる券(小学6年まで)」「絵本の世界に看板を出せる券」などを用意する。
今年4月、絵本の制作過程などを共有する「スマバレイプロジェクト」を立ち上げたゴンドーさん。同プロジェクトの一環で、架空の町・スマバレイにあるラジオ局「FMスマバレイ」からの放送としてユーチューブ配信を行うほか、出版後は神戸のカレー店主やバーテンダーに物語に登場するカレーやカクテルを再現してもらい、リアルな世界での音楽イベントを開くビジョンを描いているという。
ゴンドーさんは「物語は須磨・塩屋エリアがモデルになっているが、神戸にはまだまだ魅力的な所がたくさんある。今後も創作を通じ、地元神戸の活性化を実現したい。『映像化され、すべてのロケを神戸で行う』というのも実現したいことの一つ。そのためにも今回の絵本をしっかりと完成させ、たくさんの人に届けたい」と意気込む。
本の大きさは横216×縦154ミリ。37ページ(予定、表紙・背表紙除く)。配本は2022年1月を予定する。