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神戸・南京町の「ゲストハウス神戸なでしこ屋」 リブランドオープン3周年

神戸・南京町の「ゲストハウス神戸なでしこ屋」経営者の池端浩美さん(左)とスタッフの西村摩香(まこ)さん

神戸・南京町の「ゲストハウス神戸なでしこ屋」経営者の池端浩美さん(左)とスタッフの西村摩香(まこ)さん

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 神戸・南京町の「ゲストハウス神戸なでしこ屋」(神戸市中央区栄町通1、TEL 078-599-7305)が4月4日、リブランドオープン3周年を迎えた。

1階ラウンジの交流スペース

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 2016(平成28)年に惜しまれつつ廃業した老舗かまぼこ工場を神戸の建設会社が受け継ぎ、改装して2017(平成29)年にオープンした同店。開業当初からマネジャーを務め、世界一周一人旅経験を持つ池端浩美さんが経営者として就任した2019(平成31)年、リブランドオープンした。

 池端さんは「経営は順調だったが、新型コロナウイルスの影響で事態が急変した。ゲストハウスは、ゲスト同士やゲストと地元の方が交流できる場所。人との距離が近いことが売りなのに、人との接触を減らさないといけないことがつらかった。新型コロナが流行し始めた数カ月は予約がほとんど入らず、家賃や光熱費も捻出できない状況だった。事業を続けていけるのか本当に不安だった」と振り返る。

 「経営が苦しくなる中で、ピンチをチャンスに変え、新しいことに挑戦してみようと思考を切り替えた」と池端さん。オンラインでゲストハウス体験できる「オンラインステイ」、宿泊前に近隣エリアを案内する「オンライン下見ツアー」のほか、1時間から利用できる個室コワーキングスペース、パーティーや飲み会ができるレンタルスペースを開設した。

 1階ラウンジに「世界のビールで海外旅行気分を味わう」がコンセプトの「旅するビールスタンド」をオープン。海外ビールを常時10種類程度(600円~)販売することで、昼は南京町に訪れた人の休憩スペース、夜は地元住民の交流の場として開放している。

 これまで活用できていなかった屋上スペースもグランピング気分が楽しめるルーフトップテラス「THE DECK(ザ・デッキ)」としてリニューアル。船上の甲板に見立てた空間にテントを設け、街中で気軽にキャンプ気分が楽しめるレンタルスペースとして営業している。

 池端さんは「新型コロナ禍以前は宿泊利用のみで、主に県外からの旅行客がターゲットだった。新型コロナをきっかけに地元の方にも利用してもらえるサービスを新たに始め、今では地元の方の利用も多くなった。より深く地域との関係を築けたし、宿泊客と地元住民の交流が生まれることが何よりうれしかった。このつながりを増やしたいので、神戸に移住する人を増やしていきたい。まずは宿泊してもらい神戸の魅力を伝え、住みたいと思ってもらえるような企画を今年は実現したい。移住だけでなく、週末の滞在、月1回の滞在などで神戸ライフを満喫してもらいたい」とほほ笑む。

 新型コロナがきっかけで開設したユーチューブチャンネルでは、トイレ・洗面所・シャワールームの掃除解説、これまで配信したブログで閲覧数の多かった記事などを動画で配信。掃除動画の再生回数は「男子トイレの掃除方法」1.8万回、「洋式トイレの掃除方法」1.5万回と好評を得たという。池端さんは「今後は神戸の観光プラン、穴場カフェ、ディープスポットなどの情報を発信していきたい」と話す。

 「新型コロナ禍でとても苦労したが、遠方からの常連客をはじめ、利用者の皆さまに支えてもらい3周年を迎えることができた。新型コロナによって人とのつながりの大切さに改めて気付かされた。たくさんの方に愛してもらえる場所として、長くゲストハウスを続けていきたい。ゲストハウスは遠方の人や旅人が利用する場所というイメージがあるが、ビールスタンドやレンタルスペースなどで日常的に利用してもらい、宿泊者と交流することで地元の皆さんにも旅気分を味わってもらいたい」とも。

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