見る・遊ぶ 暮らす・働く 学ぶ・知る

神戸の農村で体験イベント「茅遊祭」 「茅葺き屋根」保全と収益化を目指す

「くさかんむり」の福山夏映さん(左) 撮影=EATLOCALKOBE

「くさかんむり」の福山夏映さん(左) 撮影=EATLOCALKOBE

  • 0

  •  

 神戸市北区と西区に点在する茅葺(かやぶ)き屋根を巡る体験イベント「茅遊祭(かやゆうさい)」が12月3日・4日・10日・11日、開催される。主催は、JR西日本コミュニケーションズを中心に発足した「神戸農村ツーリズム実行委員会」。

下谷上農村歌舞伎

[広告]

 会場は、「上谷上農村歌舞伎舞台」(神戸市北区山田町上谷上)、「下谷上農村歌舞伎舞台」(山田町下谷上)、「神戸ワイナリー」(西区押部谷町高和)、「神戸咲く咲くHarmony」(神出町広谷)、「福住お試し住居」(押部谷福住)の5カ所。神戸に多く残る茅葺き屋根を地域資源として観光に活用し、収益化・保全活動につなげることを目的とする。

 北区と西区を中心に約800棟の茅葺民家が残る神戸。同実行委員会によると、15~30年に一度の屋根ふき替えには1千万円~2千万円ほどの費用がかかるため、維持を断念する家主が多く、数は減少傾向にあるという。茅葺き屋根は日本ならではの民俗文化財であり、貴重な地域資源だが、同地域にある茅葺き屋根の農村歌舞伎舞台は、地域の保全団体による年1回程度の農村歌舞伎上演以外はあまり活用できていないのが課題という。

 今回、地域団体と協力し、茅葺き屋根を活用した観光コンテンツを開発。収益化を目指すためのプログラムは「茅葺き屋根の下でリースづくり」「地元野菜でクイック焚(た)き火料理」「茅葺職人による藁(わら)細工づくり」「農村歌舞伎本格着付け & 化粧体験」など11種類。事前に予約が必要なプログラムだけでなく、当日立ち寄って楽しめるプログラムも用意する。

 地域に点在する観光資源を生かした農村ツーリズムはこれまで、交通アクセスが課題だったが、周遊手段として神戸市や神戸電鉄が取り組んできた「神出山田自転車道シェアサイクル」と連携し、レンタサイクル付きのプログラムも実現した。

 「茅遊祭」プログラムの企画を担当する会社「くさかんむり」の福山夏映さんは「元々は人の営みと共にあった茅葺き屋根を過去の産物として眺める観光ではなく、茅葺き屋根の下で娯楽を楽しむ文化につなげていきたい」と話す。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース