「なむはむだはむ展『かいき!はいせつとし』~ミニ巡回展もしくは凱旋(がいせん)展!in KOBE~」が5月20日、神戸・梅元町に今月新設されたアーティスト村「バイソン(梅村)」にある「バイソンギャラリー」(神戸市兵庫区梅元町)で始まる。
俳優・ダンサーとして幅広く活動している「なむはむだはむ(Nam Ham Da Ham)」メンバーで神戸市出身の森山未來さんと、神戸市内を中心とした廃屋の改修活動を行い「バイソン」を設営・運営する廃屋リノベーション集団「西村組」は、昨年度行われた神戸市が推進するパブリックアートによる観光事業「KOBE Re:Public Art Project」など、さまざまな形で協働。森山さんは「Artist in Residence KOBE」を運営する「一般社団法人HAAYMM」のキュレーターでもある。
今年2月18日~5月7日、西村組が保存していた廃屋から出るさまざまな残置物を使って森山さんが作品を制作・展示していた「なむはむだはむ展『かいき!はいせつとし』」を太田市美術館・図書館(群馬県)で開催。今回の展示は、太田市美術館・図書館での展示を一部抜粋した「ミニ巡回展」として、さらには西村組の協力によって生まれた作品群の「凱旋展」として行う。
「なむはむだはむ」は森山さんのほか、作家・演出家・俳優の岩井秀人さん、シンガー・ソングライターの前野健太さんの3人によるプロジェクト。同プロジェクトは、「子どもたちのアイデアを大人たち(プロのアーティスト)がなんとか作品にする」というコンセプトで2017(平成29)年に始動し、さまざまな舞台で実践を重ねてきた。
子どもたちと共にワークショップを実施し、そこで生まれたアイデア(物語)を見つめ、解釈し、身体表現、音楽表現を伴う舞台作品や映像作品などとしてアウトプット。「なむはむだはむ展『かいき!はいせつとし』」では、美術家・彫刻家の金氏徹平さんも加わり、初の展覧会としてクリエーションを展開している。「なむはむだはむ」は、ワークショップ中に子どもたちが生み出した死者を弔うための言葉。
森山さんは「効率的で、秩序に制御されたせわしないこの社会で、子どもたちが想像する世界。物語として彼ら彼女らが映し出すこの世界の一断片を、アーティストが多方面から手探りでアプローチし、核は残したままこねくりまわして形にしている。太田市美術館・図書館では、ワークショップで生まれた400点に上る子どもたちの物語を総ざらいし、メンバーそれぞれの視点を可視化させること、最終的にアウトプットされるまでのプロセスも重視することを目指し展示した。今展示では、そこから一部を抜粋し、バイソンの多彩な空間に再配置する。太田市美術館・図書館のプレーンな展示室とは異なる『場の文脈が息づく環境』で作品を楽しんでもらいたい」と話す。
開催時間は11時~18時(入館は30分前まで)。観覧料は投げ銭方式。6月4日まで。