テレビアニメやマンガで小学生を中心に人気を集める「忍たま乱太郎」原作者、尼子騒兵衛さんが8月10日、神戸市立青少年科学館(神戸市中央区港島中町7、TEL 078-302-5177)で講演を行った。
講演会は「夏の特別展『-NINJA-かがくかん忍術大道場』講演の巻」として今月31日まで開催される特別展示の一環として開催されたもので、尼子さんは同展の企画段階から携わり、体験コーナーや展示物へのアドバイスも行ったという。
講演のテーマは「果報は寝てまとう」。「忍者の使う忍術には武器を使ったり、隠れたりといった身体的なものと並んで、心理的なものが多い」(尼子さん)と心理ゲームから始まった。その後「女性が年を聞かれると『いくつに見える?』と聞き返すことは忍術の一種。問う立場から一転、問われる立場になり焦る男性が返答に困る様子をゆっくりと観察する時間を作っている」と話し、会場からは笑い声が漏れる一幕も。
同作品がテレビアニメになった経緯について、尼子さんは「初めは朝日小学生新聞の終面に毎日3ページ掲載していた。3ページで終わる話ばかり書いていたので、単行本にもなっていなかった」と振り返った。「朝日小学生新聞の担当者に『忍者ものがいい』といわれ、描くことになった。子どもたちが見るテレビアニメだから、受け入れられやすいように学校を舞台にしようと考え、その時に『忍術学園』ができあがった」とも。
子どもたちが見るテレビアニメだからこそ、間違った情報を伝えないようにとこだわりを持つ尼子さんは、同作品執筆の際は、設定である室町~安土・桃山時代の時代背景を忠実に再現しているという。「忍たま乱太郎には小判が出てこない。それはその時代にないものは描かないから。漫画の中だからといって、子どもたちにうそは教えない。でも500円玉は出てくる、すぐにうそだとばれるうそはいい。分かりにくいうそはダメ」と尼子さん。
質疑応答では、「実生活で使える忍術はあるのか」という参加者からの質問に尼子さんは「敵から逃げることがあれば、追いつかれそうになった瞬間にしゃがんで。そうすれば敵は必ずつまづく、そのすきに反対方向へ逃げる。鬼ごっこで使ったら後ろの人がけがをしてしまいますが」と話した。
開館時間は、月曜~木曜(水曜除く)=9時30分~16時30分、金曜~日曜・祝日・春休み・夏休み=9時30分~19時。水曜休館(今月31日までは無休)。プラネタリウムの最終投映時間は19時~。
青少年科学館で「忍術」テーマに夏休み企画展-忍術体験も(神戸経済新聞)青少年科学館でイベント「ムラタセイサク君がやってくる」(神戸経済新聞)神戸市立青少年科学館