「桜とおかんアート展 2024」が3月30日・31日、湊川の「マルシン市場」(神戸市兵庫区東山町2)で開催された。主催は「下町レトロに首っ丈の会」。
どこの家にもある「おかん」(母)による手芸作品を「おかんアート」とし、その「素朴な魅力を伝える」ことを目的とする同イベント。軍手や毛糸で作られた手芸品に魅力を感じた駄菓子店「淡路屋」の伊藤由紀さんが、建築士の山下香さんと共に2009(平成21)年、展示会として初開催。以後、毎年開催し今年で15年目を迎えた。
「おかんアート」は、「基本的に、非常に役立つとは言い切れない勢いがある」「いらないものを再利用(眠った子を起こす)」「飾る場所に困る。飾る時はビニールに入れたままにしたりする」「部屋のあらゆる場所に侵攻してくる」「センスが良いなど気にせず、世間とのズレなんかも気にしない」「なのに、温かみだけは熱いほどある」「作りすぎて置き場所がなくなり、人への配布をスタートする」「置いた瞬間、どんなおしゃれな部屋ももっさりさせる破壊大」「とぼけた顔にイラッと来るか、和まされるかはあなた次第」「フィーリングで作るキティとドラえもんは危険」という10の定義を定めている。
今回は、桜の季節に湊川の「マルシン市場」で初開催。展示には、神戸のおかんアーティストだけでなく、豊岡市国府地区のハンドメード作品のほか、「おとん(父)アーティスト」の作品も。展示販売のほか、タオルで動物を作るワークショップや、おかんアーティストから提供された素材を使ったアートワークショップを開いて。弁当やおやつの販売と共に、交流を深めながらコーヒーを楽しめるカフェも開設。遠方の「おかんアート」のファンも集まった。
出展したおかんアーティストの一人は「通りすがりの方にも作品に触れてもらえてうれしい。マルシン市場での開催で、生きのいい作品展示会になった」と振り返る。主催の山下さんは「年を重ねるごとに若くなり、創作意欲を高めている、おかんアーティストのこれからの活動にも注目いただければ」と話す。