神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で2月9日、企画展「水墨南画(すいぼくなんが)展」が始まった。
同展は神戸水墨画同好会、墨遊会主宰の石黒柏堂さんと生徒約60人が出展する企画展。仏像や寺、竹、椿などの花が描かれた水墨南画作品約70点を展示する。そのほとんどが掛け軸や額に入った大きな作品のため、展示スペースに入りきらなかった作品については廊下に展示した。
水墨南画は、水墨を基調にした東洋画で中国から渡来した南宗画が元となり江戸時代に日本独自の南画として確立した技法で描かれた絵画。その後日本画や洋画の写生手法を取り入れ、墨の濃淡と動静で心中を表現し、色彩も用いながら時代性や個性を追求しているものを現代南画という。
水墨画を描き始めて今年で40年という石黒さんは、小学生時代から漫画を描いたりデッサンをするのが好きだったという。「始めたきっかけは父が水墨南画の先生と知り合いだったこと。初めて先生と会ったときに水と墨だけで蘭を描いてくれた。それまで油絵を習いたいと思っていたが、その絵に魅せられて水墨画を始めた」と振り返る。
現在約90人の生徒を抱える同会の講師を務めている石黒さんは「水墨画は描く人の性格がよく出るものなので、ただの模写ではなく個性を生かすように指導する」と話す。初心者は「蘭」「竹」「菊」「梅」の順にすべての基本となる筆遣いから学び、その筆遣いの応用でさまざまな絵を描くという。「講師は道案内役。基本はしっかりと教えるが、いつまでも手を引いていたら生徒は道を覚えられない。結局歩いていくのは生徒自身だから、まねじゃなく自分のものにしてほしい」。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月21日まで。