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神戸のバイオラボと酒蔵が「宇宙由来の日本酒」開発へ

基本合意書を交わす「菊正宗酒造」総合研究所所長の高橋俊成さん(左)と「IDDK」社長の上野宗一郎さん(右)

基本合意書を交わす「菊正宗酒造」総合研究所所長の高橋俊成さん(左)と「IDDK」社長の上野宗一郎さん(右)

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 宇宙バイオ実験サービスを手がけるベンチャー企業「IDDK」(東京都)と「菊正宗酒造」(神戸市東灘区御影本町)が4月30日、宇宙環境を利用した日本酒造りに協働して取り組むことに関する基本合意書(MoU)を締結した。

「神戸にあるバイオラボで密接に連携していきたい」と話す「IDDK」の池田わたるさん

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 同取り組みは「いつでも、どこでも、だれでも使える顕微観察技術」で宇宙バイオ実験のプラットホーム構築を目指す「IDDK」CSO(最高科学責任者)の池田わたるさんが、市内中小企業の新規事業への挑戦を応援する神戸市の伴走プログラム「So-I(ソーイ)」に採択された「菊正宗酒造」の赤畑雅雄さんと意気投合したことがきっかけで実現。「IDDK」が2026年から商業サービスとして提供する宇宙環境下でのバイオ実験プラットホームと、「菊正宗酒造」が有する醸造技術を融合し、微小重力や宇宙放射線などの特殊環境下での醸造のあり方を研究し、醗酵(醸造)技術、米麹づくり、伝統的な微生物の共生環境、新規公募育種などについて科学的に探究することを目的とする。

 「菊正宗酒造」総合研究所所長の高橋俊成さんは「宇宙での日本酒醸造の話を聞いた時には正直イメージがわかなかったが、ディスカッションを繰り返していく中で夢のある話だと思った。宇宙での醸造というのはまさに『酒創り』だと思うので、伝統的な酒造りの技術を生かして挑戦していきたい」と話す。「IDDK」の池田さんは「神戸にバイオラボを持つ当社が、神戸で360年もの歴史を持つ菊正宗酒造との協業を通じて新たな価値創出ができたら」と期待を寄せる。

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