オブリガード(神戸市中央区御幸通8、TEL 078-570-5651)とエムズシステム(東京都中央区)共催の無料コンサート「演奏家のいない演奏会」が7月9日、兵庫県立芸術文化センター(西宮市)内神戸女学院小ホールで開催された。
同公演は、長さ40センチの円筒形をした「波動スピーカー(はどうスピーカー)」1台のみステージ上に置き楽曲を流すもの。エムズシステム主催で2004年1月から東京国際フォーラム(東京都千代田区)などで毎月開催され、今回で207回目。関西では初めての開催で、400人定員の同ホールは満席となった。
エムズシステム製の同スピーカーは、紙と木などの自然素材で作られ、一般的な2台1組のスピーカーではなく本体の左右から音が出る仕組みになっている。「最先端の波動エネルギー技術を導入することにより、今までのスピーカーでは実現できなかったリアルで臨場感あふれる音場を生み出すことに成功した」という。
オブリガード社長の森伊知郎さんは25年間勤めた百貨店を早期退職し経営コンサルタントとして事業を始めた。「音楽が好きで関連するキーワードを屋号に含めたいと思いインターネットで検索していた時、たまたま『波動スピーカー』に出合った」と森さん。今までに聴いたことのない自然な音がするスピーカーに魅了され2008年より正規代理店として販売を開始。今年に入り、もっと多くの人に「波動スピーカー」を知ってもらいたいという気持ちから法人化を決意し、三宮・神戸国際会館ビルに事務所を構えた。「今回の演奏会はオブリガード創立記念イベントでもある」と話す。
当日は、スーザン・オズボーンさんによる独唱「ふるさと(英語版)」や冨田勲さんの「源氏物語 幻想交響曲絵巻」など8曲が流れ、来場者は同スピーカーの音色を楽しんだ。同公演後の来場者アンケートでは「自然に細胞にしみ入ってくる感じが、とても心地よかった」「自然のサウンドに近い」「演奏家がそばにいるようだった」「『ふるさと』の曲は涙が出た」などの感想が寄せられた。
「お子さま連れの方にもゆっくりと落ち着いて鑑賞していただけるようホール内に託児所も設けた」と森さん。「今回は『心が満たされ思いやりや慈しみの波動が周囲に波紋のように広がる世界』をテーマに開催した。一人でも多くの人に音色に触れていただき、心を温かく幸せな気持ちになっていただきたい」とも。
今後は、神戸、岡本、西宮、宝塚、大阪方面で定期開催(月2回程度)を予定。今月18日は「海の日」にちなんで、海にまつわる楽曲を集めて新大阪で開催する。