「神戸学校」講師に書道家の武田双雲さん-ワークショップも

日本の宝を「和」と表現した書道家の武田双雲さん

日本の宝を「和」と表現した書道家の武田双雲さん

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 フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が11月15日、講師に書道家の武田双雲さんを迎えてエスパスフェリシモホール(須磨区)で開催された。

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 当日、「志は大きく、でもとらわれない ~自由、そして日々のしあわせ~」をテーマに第1部は講演と実際に参加者が字を書くワークショップが、第2部は質疑応答が行われた。

 第1部では、武田さんが書道家になった経緯について、3歳から母(書道家・武田双葉さん)の手ほどきを受けながら書道を練習し始めたことを明かし、「小学校に上がった時、横に座った男の子の字を見たのが『武田双雲』の始まり。今まで母の字しか見たことのなかった自分は、人の字が全員違うことに感動を覚えた」と話す。大学卒業後、サラリーマンから書道家として独立するに至った経緯については、「先輩から、字がうまいから筆書きの名刺を作ってほしいと言われたのがきっかけ。そのとき初めて、フォトショップやスキャナーを知り自分の字が印刷されることに感動した。出来上がった名刺を先輩に見せたら感嘆の声が上がったのがうれしく『これでいこう。人のうれしい顔をもっと見たい』と退職を決意。まずは名刺や表札を作る仕事から始めた」と振り返った。

 第2部は会場の参加者からの質問に武田さんが答える形式で進められた。岡山県から参加した男性から「人生の中で衝撃を受けた言葉」を問われ、武田さんは「医者の日野原重明さんの言葉。97歳なのに階段を二段飛びで上がるパワフルなお医者さん。日野原さんと対談した時、僕は『これから自分はどのように生きていけばいいのか』という質問をした。答えは『悲しみに寄り添いなさい』というもので、元気な時だからこそ人の気持ちに寄り添うことが大切。ポジティブな人は弱い、人の気持ちに寄り添える人が強い、という言葉を33歳で聞けたことがうれしかった」と答えた。

 武田さんは熊本県熊本市の出身。2001年に書道家として独立以来、B'zや野村萬斎さんなどさまざまなアーティストとの共演や個展などを通して創作活動を展開している。約300人の門下生を持つ書道教室での講義が話題を呼び、NHK「課外授業ようこそ先輩」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などの数々のメディアに出演している。

 フェリシモの主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で139回目を数えた。

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