神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で12月9日、企画展「檀上幸宏作陶展」が始まった。
同展は、陶芸家・檀上幸宏さんの陶芸作品を展示するもので、皿や湯飲みなどの作品約150点を展示する。使いやすさを考えて作られた作品は檀上さん自身も普段から愛用しているという。
父が陶芸家であるという檀上さんは「陶芸には小さいころから慣れ親しんでいるが、父から陶芸を教わったことは一度もない」と話す。「父の作品を見て技術を盗んでみることはあるが、最終的には自分の個性が出てしまう。それはうれしくもあり、悲しいことでもある」とも。
「作品は産地にこだわるのではなく、地元である兵庫県神崎郡神河町でとれた灰や鉱石を使って作る」という檀上さんの作品の特徴は、作品ごとに釉薬(うわぐすり)を変えることにある。通常は同じ釉薬を一度に多く作る陶芸家が多いが、檀上さんは少量ずつたくさんの種類を作り作品に合わせて使い分けるという。その魅力を「焼き上がったときのつやや、作品の表情が変わる。ザラッとしたり、光沢が出たり、しっとりとした作品に仕上がったり。時には色合いが全く変わることも」と話す。
依頼があれば陶芸教室の講師も引き受ける檀上さん。子どもたちへの教え方のテーマは「やり方だけを見せて、手は加えないこと」だという。檀上さんは「陶芸は自分の楽しみ、好きなことをして生活していけるのは幸せだと感じる」と話す。「同展への出品ではひとつのテーマに凝り固まらずいろいろな作品を展示している。来場された方には何かひとつでもお気に入りの作品を見つけてほしい」とも。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月27日まで。