阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼し復興を願う「神戸ルミナリエ」の開幕を前に、ハンディキャップを持つ人と介護・付き添い者を対象とした「ネスレ ハートフルデー」が12月3日、東遊園地(神戸市中央区加納町6)で開催された。
ハンディキャップを持つ人に「混雑を避けゆっくりと神戸ルミナリエを鑑賞してほしい」と1999年から開かれている同イベント。今年は、昨年より200人多い1万5000人(うち車いす4000台)が来場。会場のアナウンスは舞台上での手話とプロジェクターで投影された文字で紹介された。
2001年より、ネスレ日本グループが毎年協賛し、15回目となる今年は社員だけでなく初めてアンバサダーも加わり80人がボランティアとして参加。来場者に温かいコーヒーやチョコレートなどの自社製品を振る舞った。
点灯セレモニーには、主催者代表の久元喜造市長、協賛社代表の石橋昌文さん、来場者代表の平澤史朗さん、末川照明さん、小川武さんが登壇。5人がスイッチを押すと「光の円舞」と題した全長125メートル、最高部18メートルの「スパッリエーラ」が点灯し、来場者から歓声が上がった。神戸市出身のシンガー・ソングライター平松愛理さんによるハートフルコンサートも開かれ、会場が温かい空気と光に包まれた。
11月20日に第16代神戸市長に就任した久元市長は「ルミナリエは、神戸から全国や世界に向けて発信する行事として定着してきた。阪神・淡路大震災の記憶、そこからよみがえった神戸の歩みを未来へ向かって受け継ぎ、伝えることを大切にしながら仕事をしたい」と意欲を見せた。
今年で19回目となる神戸ルミナリエの開催期間は今月5日~16日。点灯時間は、月曜~木曜=18時ごろ~21時、金曜=18時ごろ~22時、土曜=17時ごろ~22時、日曜=17時ごろ~21時30分。作品テーマを「光の記憶」とし、伊アートディレクターのヴァレリオ・フェスティさんと神戸市在住の作品プロデューサー・今岡寛和さんが手掛けた。