神戸・中山手通に3月31日、「オープンデータ」を活用する民間拠点「オープンデータ・ラボ(Open Data Lab)」が開設された。
オープンデータは、「特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限無しで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべき」というアイデアの下で整備が進められているもの。自治体や公共機関のデータを中心に、各地で整備・活用の兆しが見られ、日本政府も国の成長戦略の主要な柱の一つと定めている。
同ラボは、NPO法人「コミュニティリンク」(宝塚市)が兵庫県から「平成25年度企業支援型地域雇用創造事業」として受託し、オープンデータ活用モデル事業とオープンデータカタログサイト構築モデル事業の拠点として神戸市中央区内に1年限定で開設したもの。神戸電子専門学校(神戸市中央区)と明石工業高等専門学校(明石市)の卒業生を含む7人を緊急雇用者として迎え、地域課題解決に向けて取り組みを始めている。
「スマートフォンなどの普及により、ICT技術は一部の人だけのものではなく、広く市民のためにあるものになった。プログラミングに挑戦する人の裾野も業界を越えて広がっており、技術だけではなく情報もオープンにしていくのは自然の流れ」と同NPO理事で同ラボ代表の榊原貴倫さん。市民によるテクノロジー活用は「シビックテック」と呼ばれるが、まさにこの拠点として「オープンデータに興味のある方であれば、産・学・官・民、いずれの立場の方とも一緒に地域の課題解決にチャレンジしたい。コーディングなんて全くできないという人もアイデアや課題を持ち込んでほしい」と意気込む。
「以前よりオープンデータの動向に注目していたため、地域の課題解決につながる本取り組みに協力していきたい」と話すのは、同ラボのアドバイザーであり神戸情報大学院大学講師の吉田博哉さんと明石工業高等専門学校講師の新井イスマイルさん。「このラボを拠点に地域のニーズを正しく捉えたシビックハックができるようになれば」とも。
榊原さんは「シビックテック・シビックハックの先進事例として、『Code for America』が有名だが、日本でもさまざまな『Code for』が生まれてきている。神戸・兵庫でも『Code for Hyogo』の動きが広がるよう、今年1年で成果を出し、来年以降につなげていきたい」とさらなる未来像も描いている。
問い合わせは、lab@communitylink.jpまで。