「スターバックス コーヒー 神戸北野異人館店」(神戸市中央区北野町3、TEL 078-230-6302)が3月27日、オープンした。運営はスターバックスコーヒージャパン(東京都渋谷区)。
同店は神戸・異人館エリアの北野坂に位置する「北野物語館(旧M.J.シェー邸)」の建物をそのまま生かした同社初の文化財内店舗。同館は、1907(明治40)年に建築された木造2階建ての住宅で、もともとは北野町1丁目に建てられていた。1995年の阪神・淡路大震災の被害を受けた後、神戸市が建物を解体・部材保管し、民間事業者に部材を譲渡して移築復元された国登録有形文化財。
建築時の建物をそのままに、当時の歴史を感じることができる建具やフローリングを生かし、272,1平方メートルの店内には当時の調度品も配置した。座席数は、店内=74席、店外テラス席=8席。1階・2階ともに「ゆったりとくつろぎの時間を過ごしていただくためにソファ席を多く設けた」(同社)。2階には数々の調度品や洋書を並べた本棚を設置し、当時の生活を思わせる空間作りにした。
設計を担当した同社店舗開発本部の齋藤正人さんは「特別な色を使っているわけではないが、(他店舗と)趣が異なるのは建物の形状から。シャンデリアやスタンドライトも使用し、空間作りにこだわった。歴史ある異人館でコーヒーを楽しんでほしい」と話す。「入口のロゴサインは建物に合わせて木彫りのものを特別に作った。現在日本ではこの1店舗にしかないものなので、そちらにも注目いただければ」とも。
同社マーケティング本部の田中有紀さんは「一杯一杯心のこもったコーヒーを通じて『サードプレイス(家庭、職場、学校などに次ぐ第3の生活拠点)』を提供し、地域に根ざした空間作りをしていく。北野坂を登るのがつらいという声も聞くが、ぜひくつろぎに来ていただければ」と話す
営業時間は7時~22時。