神戸市役所前地下通路にある「花時計ギャラリー」で3月24日、「神戸・清盛隊」の平重盛、宗盛、重衡(しげひら)が「世界結核デー(World TB Day)」の街頭啓発活動を行った。
ドイツ人医師ロベルト・コッホが結核菌を発見した1882年3月24日にちなみ、世界保健機関(WHO)では毎年3月24日を「世界結核デー」として、世界各地で結核症撲滅の啓発活動を呼び掛けている。
今年のテーマは「United to End TB(結核流行の終息のために団結しよう=結核予防会仮訳)」。国境のない感染症、結核の流行の終息を実現するために、世界のあらゆる関係者が一体となって取り組むことを求めた。
神戸市の発表によると、日本は年間2万人近くの新登録結核患者があり、約2000人が亡くなっていることから、世界的に「結核の中まん延国」といわれているという。低まん延国であるG7諸国の罹患(りかん)率(人口10万人当たりの新登録結核患者数)は、米国=2.8%、フランス=7.3%、ドイツ=5.1%、イギリス=12%、イタリア=4.9%、カナダ=4.7%。日本は15.4%で、神戸市は21.5%と高い。
神戸・清盛隊は2011年、神戸市の観光事業のPR隊として発足。1年4カ月の任期を終えた後、現在は独立し活動を続けている。
神戸市保健所では、今年結成5周年を迎える同隊に声を掛け、結核予防の啓発活動に協力を仰ぎ、同隊の写真と共に「神戸市の結核患者 1年間に約330人」「平安の世でも平成の今でも『結核』は人々を苦しめている」と書いたポスターやチラシを作成した。
この日は、平日にもかかわらずブログやツイッターの告知を見た多くのファンが会場に集まり、平重盛、宗盛、重衡は、掲示したポスター前での記念撮影に応じた。
同掲示物は、公共施設やコンビニエンスストアなどに配布。医療機関をはじめ、関係機関との連携を強化するため、ポスターで結核症に対する意識の向上を図り、協力して早期発見・早期治療、治療終了までの包括的服薬支援(DOTS)に取り組むという。
同隊プロデューサーの若見しのぶさんは「日頃から人々の笑顔を増やしたいとの思いを込めて活動している神戸・清盛隊として、今回の広報活動で市内の結核患者を一人でも少なくすることができれば」と話す。
「結核は早期発見、早期治療が最大の予防。皆さまの笑顔を絶やさないためにも、ぜひ受診を心掛けていただきたい。神戸が笑顔あふれる街であるよう、神戸・清盛隊も広報活動に励みたい」と意気込む。