
「神戸フィルムオフィス」設立25周年記念シンポジウムと支援ポスター展示会が6月27日、神戸国際会議場(神戸市中央区港島中町6)で開催された。
映画製作者を交えてのシンポジウムの様子(右端が押田興将さん)
阪神・淡路大震災からの復興を映像で発信したいという思いから、2000(平成12)年に日本初のフィルムコミッションとして誕生した神戸フィルムオフィス。記念シンポジウムでは、設立に尽力した初代代表の田中まこさんが基調講演を行った。東京を中心に活動していた田中さんは「神戸市から街を元気にするアイデアを求められ、ハリウッドではメジャーだが、日本ではなじみのなかったフィルムコミッション(FC)設立を提案したところ、意外にも前向きな反応があり驚いた」と話す。今ではFCを通した地域振興が浸透し、全国に400超のFCが設立されるまでになった。
映画製作者が登壇したシンポジウムでは、FCの役割や今後の展望についてのトークが行われた。撮影で道路等を占用するために警察等との協議が必要となるが、FCが一緒に入ることでスムーズに手続きが進められるという。2001(平成13)年に公開された映画「GO」では、地下鉄線路上での日本初の撮影が実現し、「神戸ではそこまでできるのか」という衝撃が関係者に広がったという。映画プロデューサーの押田興将さんは「地域の方々と映像製作を楽しみながら協力できる関係を構築したい」と期待を寄せる。
神戸で撮影されていても神戸以外が舞台の作品となることも多い中、同イベントを企画した神戸フィルムオフィスの土屋千佳さんは「『神戸舞台の作品をもっと増やしたい』との思いで3年前から神戸を舞台にした作品を支援するシナリオハンティング助成を行ってきたが、効果が出始めている。神戸空港国際化をきっかけに韓国から神戸を撮影地として選んでくれるケースもあり、「先輩たちの思いを引き継ぎ、市民の皆さまにすてきだと思ってもらえる作品の製作支援を行っていきたい」と意気込む。