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神戸のホテルで挙式控えたカップル、互いの尿の「浄化水」で乾杯

シャンパングラスに入ったお互いの尿の「浄化水」を飲む2人

シャンパングラスに入ったお互いの尿の「浄化水」を飲む2人

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 世界環境デーの6月5日、グリーンヒルホテル神戸(神戸市中央区加納町2)で水の大切さを訴えるイベントが開催された。

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 同イベントは、6月26日に挙式を控える渡辺誠さんと宮崎梨重子さんカップルが互いの尿を浄化した水で乾杯し、互いの愛情を確かめ合うもの。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同研究する浄水器メーカー「ニューメディカ・テック」(大阪市北区)の前田芳聰社長は「当社は1995年に創立したが、こうしたイベントは初めて」と浄化方法などを説明し、実際に2人の尿が入った液体を浄化した。

 同ホテルのチャペルで行われたイベント、タキシードとウエディングドレスに身を包んだ2人は「これからどんなことがあっても乗り越えていきたい。味についても楽しみ」(渡辺さん)、「このイベントを聞いたときすごくびっくりしたが、わたしも震災の被災者。水の大切さを知ってほしい」(宮崎さん)とそれぞれがあいさつ。シャンパングラスに入った「浄化水」を飲み干した2人は顔を見合わせ、「普通の水、まろやかでおいしい」と笑顔を見せた。

 企画したのは阪神・淡路大震災で被災し、水に不自由した経験を持つクリエーターの寺井広樹さん。寺井さんは、昨年宇宙飛行士・若田光一さんが尿の浄化水を宇宙で飲んでいる映像を見て同企画を思いついたという。「6千人以上の死者が出た震災だが、その後の調査で1千人以上の方が、水が起因で肺炎や敗血症などの間接死で亡くなったことが明らかになった」とし、寺井さんの知人も肺炎で亡くなったことを明かす。「そのころから安全な水に興味を持った。たくさんの方が水について考えるきっかけになれば」と今回のイベントを企画、ニューメディカ・テックの協力で安全な浄化法を確保し、実現した。

 寺井さんはイベント中には宇宙飛行士・山崎直子さんの夫大地さんから寄せられた祝福のメッセージを読み、当日使用した浄水器を2人に贈った。

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