フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が7月24日、作家で元総合格闘家の須藤元気さんを迎えてエスパスフェリシモホール(須磨区)で開催された。テーマは「夢をかなえるためにできること」。
現役時代から個性的な入場スタイルに注目が集まっていた須藤さん。会場からの大きな拍手に迎えられ、「元気ですか?」とアントニオ猪木さんが引退時に述べたセリフであいさつし、大きな笑いを誘った。「落ち着かないから」と終始ステージ上を歩き回りながら講演が進み、途中現在練習しているというアニメーションダンスも披露した。
中学生の時に悩んだり葛藤したりするピークを迎えていたという須藤さんは「せっかく生まれたんだから、悩まず毎日楽しく生きることができないか」を考え、肉体的に鍛えれば精神的にも強くなるのでは、とレスリングを始めた。しかし、肉体的な強さと精神的な強さは必ずしも比例しないことを実感。中途半端ではいたくないという思いに突き動かされて、高校2年生の時からプロの格闘家を目指し始めたという。
須藤さんは「本を読むこと」「旅をすること」「瞑想(めいそう)すること」が夢をかなえるために大事だと話す。その理由について、「著者が少なくとも数週間~数十年考えたことがまとまっているのが本。読書ほど効率のいい自己投資はない。何気なく読むのではなく、この本から何を学ぶか考えてから読むようにする」と話す。「旅をすると自分自身の体験とともに五感も充実する。そうすると生きるのが楽しくなる。今という時間を楽しむ気持ちを持つことが大事なのでは」とも。
須藤さんは高校時代からレスリングを始め、大学在学中に全日本ジュニアオリンピックで優勝、世界ジュニア選手権日本代表を経験した。プロ格闘家としてデビュー以降、UFC-J王者を経て、K-1やUFCなどで活躍。2006年12月に引退し、それ以降は作家や書道家、映画監督、俳優、ミュージシャンとして活躍中。
フェリシモが主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で159回目を数えた。参加料は全額、「あしなが育英会」の神戸レインボーハウス運営支援に活用される。