神戸で初となる地域貢献を目指したITイベント「神戸ITフェスティバル2011」が4月15日、神戸市産業振興センター(神戸市中央区東川崎町1)で開催された。
来場者と握手を交わすコミュニケーションロボット「wakamaru」
ITの最新技術を分かりやすく解説するセミナーや展示会場の特設ブースを通じて、ITを生活や仕事に役立てるための情報を提供し、神戸の地域社会や産業の発展に貢献しようと企画された同フェス。会場では、7カ所で40ほどのセミナーが順次開かれ、特設ブースでは地元企業・団体の出展ブースのほか、iPhone、iPad、Androidなどのスマートフォン端末を実際に手に取りながらアプリケーションを体験できるコーナーも設けられた。
実行委員長を務める力宗幸男さん(兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科教授)による開会のあいさつと東日本大震災の追悼の意を表した黙とうで始まった同イベントには、開場と同時に多くの人が来場。IT関係者だけでなく、学生や地元企業関係者など700人超が訪れた。セミナー会場では、地域振興向け、学生向け、技術者向け、経営者向けなどさまざまなテーマで講演や対談が行われ、その模様はユーストリームでも配信。人気のセミナーでは会場に入りきれず、多くの立ち見姿も見られた。
アップル製品に関するニュースを伝えるPodcast番組の公開録音を見に来たという40代男性は「番組の中で今回のイベントのことを知った。ITイベントと言っても難しい講演だけでなく、このような話も聞けて面白かった」と話した。特設ブースでスマートフォンを体験した大阪市在住の女性は「スマートフォンを仕事で使えないかネットで調べていたところ、このイベントを見つけた。教えてもらいながらiPadを使ってみたが早速購入したいという気持ちになった」と話す。
会場には、神戸市のゴミ分別などのルール推進をアピールするキャラクター「ワケトン」「ワケニャン」や、三菱重工業が開発したコミュニケーションロボット「wakamaru」も登場。記念撮影や握手をするなどして来場者を出迎えた。
力宗さんは「初の試みであるため集客に不安もあったが、400個用意していた配布資料入りエコバッグが開場後1時間でなくなってしまい慌てて資料を増刷した。当初の狙い通り、幅広くさまざまな業種の方にも来ていただきうれしい」と話す。「これからも神戸のITを盛り上げるために続けていきたい。ITを通じて被災地にできることも考えていく」とも。