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変わる未来都市~神戸市中央区~

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変わる未来都市~神戸市中央区~

【三宮周辺地区】

■都心・三宮の再整備計画

 神戸市は2015年9月、世界に貢献できる都市として発展していくことを目指し、神戸の都心の未来の姿「将来ビジョン」と玄関口である三宮周辺地区についての「再整備基本構想」を策定。三宮交差点の歩行者中心の空間にする「三宮クロススクエア」をはじめ、新しいまちづくりに取り組み、おおむね30年後を見据えた段階的な再整備を行っている。

 直近では2018年9月、三宮の東に位置する「雲井通5丁目地区」再整備にかかる事業協力者が決定。ランドマーク性の高い新たなオフィスビルやバスターミナルの建設が予定されている。

●神戸の玄関口をつくる!「えき~まち空間」

 6つの「えき」(JR、阪急、阪神、地下鉄西神・山手線、地下鉄海岸線、ポートライナー)と「まち」をつなぐ空間を「えき~まち空間」と名付け、神戸の玄関口にふさわしい空間として整備する。目標像として、(1)三宮の6つの駅があたかも一つの大きな「えき」となるような空間、(2)「えき」と「まち」が行き来しやすく、より便利で回遊性を高める空間、(3)美しき港町・神戸の玄関口にふさわしい象徴となる空間を掲げている。

 実際、2016年10月より三宮中央通りで停車帯の一部と歩道上に「KOBEパークレット」を設置する社会実験を実施。沿道地域などが主体となって、オープンカフェを開催するなど、特色あるまちづくりに取り組んでいる。車道を活用したパークレットは日本初で、2周年を迎えた2018年10月には「KOBEパークレット」の優れたデザインが評価され、グッドデザイン賞も受賞している。将来的には三宮交差点を中心に、フラワーロードと中央幹線の一部で人と公共交通優先の空間「三宮クロススクエア」を創出するという。

●進む!「神戸阪急ビル東館」建て替え計画

 阪急電鉄は2017年7月、「神戸阪急ビル東館」の新築工事に着手。新しい三宮のランドマークを目指し、2021年春の竣工を予定している。この計画では、地下鉄西神・山手線との乗り換えの利便性の向上や公共的空間の創出を図るなどして駅の整備を一体的に行う。また、阪神・淡路大震災で被災し解体するまで、永らく神戸市民から親しまれてきた旧神戸阪急ビル東館のデザインを新しいビルの低層部で再現。

 新しいビルは、ホテル、オフィス、商業施設などで構成され、神戸を訪れるビジネス客や旅行者のホテル需要に応える。最上階となる29階に展望フロアを整備し、みなと街神戸の景観を楽しめるようにするとともに、オフィスフロアの最上階(15 階)には神戸市が検討している産学交流拠点の誘致を目指している。

●社会実験「KOBEパークレット」~道路のリデザイン~

 都心道路の憩いや賑わい創出の新たな取り組みとして、2016年10月より三宮中央通りで停車帯の一部と歩道上に「KOBEパークレット」を設置する社会実験を実施。三宮周辺地区の「再整備基本構想」では、「歩くことが楽しく巡りたくなるまちへ」「地域がまちを成長させる」を方針として掲げており、三宮と元町をつなぐ歩行者ネットワークの重要な路線である三宮中央通りでは、沿道地域などが主体となって、年に2回(春・秋)オープンカフェを開催するなど、特色あるまちづくりに取り組んだ。

 誰でも自由に利用でき、車道を活用したパークレットは日本初。設置して2周年を迎えた2018年10月、KOBEパークレットの優れたデザインが評価され、グッドデザイン賞も受賞している。

●閉鎖中の待ち合わせスポット「パイ山」の再整備

 阪急神戸三宮駅東口、JR三ノ宮駅西口の北側に位置することから待ち合わせスポットとして、「パイ山」「でこぼこ広場」などと呼ばれ親しまれてきた「さんきたアモーレ広場」。2021年春開業予定の神戸阪急ビル東館の建て替え工事に伴い2017年5月に閉鎖されたことでSNSなどに悲しむコメントが多く寄せられていた。

 この広場を含む三宮北西エリアは「えき~まち空間」内で最も先行して再整備が進むエリアであることから、「玄関口にふさわしい、より多くの人に愛される空間となるような広場」としての新たなデザインの提案を広く一般からも募集し、注目を集めている。最優秀賞の作品をもとに、市がデザイン提案者と相談のうえ、アモーレ広場の整備計画図を作成し、実現に向けて取り組むという。

【新港突堤西地区】

■神戸港開港150年記念プロジェクト 都心・ウオーターフロントの創出

 2017年1月に神戸港が開港150年を迎えたことを記念し、新港突堤西地区(第1突堤基部)の再開発に着手。歩道の拡幅や広場、デッキの整備を行うことで回遊性の向上を図るとともに、神戸港の雰囲気を満喫できる、新たな景観スポットの創造を目指す。

 この事業では住友不動産を代表企業とする民間事業者、計5社がノウハウを結集しチームコラボレーション。新たな魅力と活力ある都心・ウオーターフロントを目指した「海・港から生まれるニュー神戸ライフスタイル」を創出する。事業施行期間は2019年4月~2024年5月を予定している。

●総事業費約460億円 文化・商業・住宅棟等の複合施設が誕生

 シンボル施設となるのは、日本初の360度水槽を配し、アートや植物と融合した大人向けアクアリウム。大成建設株式会社が商標登録している「AQUATIC」の初プロジェクトだ。クラシックカーの展示と、世界的服飾デザイナーである桂由美さんのウエディングをテーマにしたミュージアムも同施設に建設予定。

 クリエーティブ産業の集積とハブ化として誘致するのは、神戸の企業「フェリシモ」とBMWディーラー親会社「GLIONグループ」の本社ビル。新住民の流入促進として、約700戸のタワーマンションも建設予定。新たな生活文化を発信するウオーターフロントの「高質」な住宅を目指す。他に、オープンカフェやクリニック、スーパーなどの商業機能も備える。

【元町山手地区】

■都心にある緑豊かな「元町山手地区」 2020年度の事業着手を目指し再整備へ

 神戸の玄関口・三宮エリアと観光拠点のハーバーランドなどがある神戸エリアの中間に当たる元町地区。北側の山手エリアには、1873(明治6)年に県本庁舎が移転し、県行政の中心地となった。周辺には学校や文化施設、緑豊かな大型公園などが点在し、芸術文化・教育の拠点としても発展してきた。しかしながら、近年では三宮駅周辺やウオーターフロントの再整備が進む中、この地区では県本庁舎や県民会館等の施設が老朽化し、耐震強度の不足や利用者ニーズに対応できていないなどの課題が生じており、2020年度の事業着手を目指し再整備が検討されている。

 再整備に当たっては、まちづくりの基本方針として「人々が集い、ふれあい、賑わう『まち』」「防災力を強化し、安全安心でゆとりある『まち』」「民間からの提案と活力の導入」を掲げている。インバウンドなどの宿泊ニーズに対応するラグジュアリーホテルの誘致や、回遊ネットワークの快適性・利便性を高めるため、玄関口となる元町駅舎と一体となった商業施設や、元町山手地区へのプロムナードなどを検討。誰もがアクセスしやすいバリアフリー化を図り、豊かな緑を生かした歩行者空間の整備も視野に入れている。

 今後、県民の意見も取り入れながら、おおむね3年以内に本庁舎と文化交流拠点の再整備、10年以内にラグジュアリーホテルなど新たなにぎわい交流機能の誘致、20年以内に元町駅周辺の整備を進めていくという。

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