神戸出身の写真家・関本幸治さんの個展「もうひとりのわたし」が現在、海外移住と文化の交流センター(神戸市中央区山本通3)内の「C.A.P. STUDIO Y3」(TEL 078-222-1003)で開催されている。関本さんは、同展が出身地神戸での初個展。
関本さんは1969(昭和44)年神戸生まれ。1994年に愛知県立芸術大学大学院修了後、1996年にケルンへ渡独。現在は横浜にアトリエを構えて国内外で活動。2008年と2010年にはキヤノン主催の写真コンテスト「写真新世紀」に入賞している。
祖父が写真館経営者、母が画家という関本さんは「(両者の技術を)足して2で割った作品を作れないか」と模索。モデルを被写体に粘土で塑像にし、それを写真に収める手法で制作活動を行う。作品の背景となるセットも自身が制作するため、1枚の作品制作に約1カ月を要するという。
会場には、今回のテーマ「作品は見る人の心を表す鏡であり、次元を越える扉である」に沿ったこれまでの作品21点を展示。関本さん自らが書いた詩の朗読と作品のスライドショー(上映時間8分)も上映する。会場内のアトリエに約1カ月間滞在し、「過去を旅する」をテーマに新作の公開制作にも挑む。実際に被写体となっている110センチの人形やセットを間近で見ることができる。関本さんの叔父はブラジルへ移住した経験があり、「旧神戸移住センター」を再利用している今回の会場との関わりも深い。
関本さんは「被写体以外に多くの小物も手作りするが、さまざまな構図での撮影を重ねると割愛することも多い。制作活動に無駄な作業も多いが、それをしないと作品は作れない」と話す。
9月29日には、ワークショップ「カメラの中に入ろう~カメラオブスキュラ」も開催する(13時~16時、小学4年以上対象)。
開館時間は10時~19時。月曜休館(9月17日は開館、翌18日が振替休館)。入場無料。今月30日まで。ワークショップの申し込み方法は「C.A.P.(芸術と計画会議)」のホームページで確認できる。