神戸・メリケン波止場にある音楽酒場「上屋劇場」（神戸市中央区波止場町、TEL 078-371-5227）で12月13日・14日、「神戸の劇団vintage（ヴィンテージ）」による芝居「全員店長」が上演される。

インタビューに応じる脚本家の菱田シンヤさん

　同作は同劇団の芸術監督でもあり、2009年NHK土曜ドラマ「再生の町」、2012年フジテレビ系金曜プレステージ西村京太郎サスペンス「秋葉京介探偵事務所～狙われた男～」、2006年読売新聞社主催の第57回読売文学賞で戯曲・シナリオ賞を受賞した「パウダア－おしろい－」など多数の原作・脚本を手掛ける神戸市出身・在住の脚本家・菱田シンヤさんが作・演出を手掛ける。

　「コンビニ激戦区」である神戸・元町駅前一等地への出店を巡り西日本主要コンビニの各店長が一堂に介し、利権を巡って「血で血を争う壮絶な戦い」を繰り広げる。兵庫県警暴力団対策課の特殊班「CAT（コンビニ・アタック・チーム）」が拡大するコンビニ戦争を終結させるため、頂上掃討作戦を計画。各店店長が集う「シマ決め」総会に潜入捜査員を送り込み、「『仁義なき戦い』はいかなる結末を迎えるのか」という物語。

　出演は、同劇団座長の金善福（キン ソンボッ）さん（「ココストア」店長役）をはじめ、濱口秀二さん（「セブン－イレブン」同）、村上泰児さん（「ローソン」同）、Yakkoさん（「タック」同）、荒木優子さん（「ファミリーマート」同）、鼓美佳さん（「サークルK」同）ほか。

　菱田さんは「芝居は文化、経済、産業など世の中の動向と鏡になっている部分がある。観客も役者も作り手もさまざまな状況の中にいると思うが、みんなに笑ってもらえるのが理想。地元神戸で続けている意味を理解してもらい、みんなで役者を育てていってほしい」と話す。「うわーっと終わるので、うわーっと飲んでざっくばらんに楽しんでいってほしい。来春の本公演は新長田の町おこしとプロレスを題材にした作品を上演する」とも。

　開演時間は19時（開場は30分前）。料金は、前売り券＝3,000円、当日券＝3,500円（以上1ドリンク付き、全席自由）。チケットは、同劇団フェイスブックページのほか、「BAR YUME-YA ZERO」（北長狭通2、TEL 078-321-6464）、「BAR夢屋」（長田区、TEL 078-621-8285）で取り扱う。

　同劇団は、2009年新長田を拠点に旗揚げした演劇団体。毎公演、サポーターとして関西で活躍するアーティスト、お笑い芸人、ダンサー、俳優などが参加し、新長田の商店街の応援を受けながら地元に根付いた活動を続けている。