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神戸で「被災の語り歌」7曲初披露-阪神・淡路大震災から20年

東遊園地で歌うシンガー・ソングライターの石田裕之さん

東遊園地で歌うシンガー・ソングライターの石田裕之さん

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 神戸市立地域人材支援センター(神戸市長田区)で1月17日、阪神・淡路大震災を経験した人たちが作った歌「被災の語り歌」7曲が初めて披露される。

神戸市立地域人材支援センターで語る石田裕之さん

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 発起人は、戦災・震災を乗り越えてきた旧二葉小学校の校舎を活用した同センター職員の山住勝利さん。自らの被災体験をもとに約19年前に作った歌「I Call Your Name -1995.1.17-」を思い出し、同センターの震災学習に協力していた神戸出身・在住のシンガー・ソングライター石田裕之さんに企画を持ちかけたことがきっかけで始まった。

 震災の記憶を後世に残す取り組みとして「震災アーカイブ=『被災の語り歌』」プログラムとして企画。2013年6月~2014年1月までの期間、阪神・淡路大震災の被災についての歌を一般募集した所、メール、ファクス、手紙、歌詞を書いたメモ、震災当時の歌声を録音したテープ、CDなどが集まり、その中から石田さんが7曲を完成させた。

 完成した曲は、同センターで行われる震災の記憶を後世に伝えるためのイベント「1.17 やさしさわすれないで in ふたば 2015『震災を伝える日 かく、うたう。』」で披露。午前の部(10時~12時)=イラストレーターの黒田征太郎さんと共に20年前の震災を振り返り、思い思いに絵を描く絵話(かいわ)教室、午後の部(14時~16時)=石田さんによる「被災の語り歌」の披露と曲提供者との共演や語り合いが行われる。7曲を収録したCD(1,000円)も発売され、売り上げは東日本大震災義援金として全額寄付する。

 石田さんは「この作品集をきっかけに、被災した方々の生の声を少しでも多くの人に知ってほしい。明るく前向きで美しいメッセージばかりが震災の教訓ではない。人の数だけさまざまな悲しみやとらえ方がある。ここにつづられた小さな声に耳を傾けることこそが、被災地支援を考えるうえで大切な優しさではないかと思う」と話す。

 山住さんは「このコンサートで被災の声を聴いてほしいと思っている。披露される歌には、『こんなふうにくみ取ってください』という決まった教訓はない。声から漏れ出る何かを感じとっていただければありがたい」と話す。

 参加無料。定員は先着順、午前の部=50人、午後の部=100人。事前申し込み不要。問い合わせは同センター・山住さん(TEL 078-646-8128)まで。

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