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神戸でシンポジウム・コンサート 地元演奏家ら招き「これからの音楽」語り合う

「音楽ネイティブネットワーク&アーカイブス」プロジェクトによる初のシンポジウム・コンサート

「音楽ネイティブネットワーク&アーカイブス」プロジェクトによる初のシンポジウム・コンサート

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 神戸・再度山のふもとにある「海外移住と文化の交流センター」(神戸市中央区山本通3)5階講堂で12月26日、「音楽ネイティブネットワーク&アーカイブス」プロジェクトによるシンポジウム・コンサートが開催される。

尺八奏者で音楽研究者でもある泉川獅道さん

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 電子音響音楽分野で活動する音楽家で同プロジェクト発起人の石上和也さんによると、日本が西洋音楽を受け入れてから約150年がたち、100年以上にわたる音楽教育やさまざまなメディアによる影響によって、日本人の多くは「音楽=西洋音楽理論によって作られた音楽」という認識になっているいう。一方、近年は音楽聴取の概念や音楽制作環境の変化が進む状況といい、これまでの音楽を改めて問い直す時期であると捉え、同プロジェクトを発足した。

 「音楽の未来への伝承・継承、ひとりひとりの音・音楽文化(=音楽ネイティブ)、つながり、地域文化、再生、伝統から新しい音楽へ」をテーマに、同プロジェクト発足後初めて開く同イベント。

 石上さんは「個々人の音楽・音文化は、本人がそれほど意識することもなく月日が流れていき、その人が亡くなると消滅してしまう。それは非常に貴重でユニークな音楽・音の財産であり、継承していくことで未来の音楽を形成していくこと」と話す。

 当日は、石上さんをはじめ、神戸を活動拠点とする音楽教育家でNPO法人生涯音楽アカデミー理事長の山地寛和さん、尺八奏者の上野航さん、尺八奏者で音楽研究者でもある泉川獅道さん、日本音楽研究家で日本学術振興会特別研究員の出口実紀さんをパネラーに招き、ミニコンサートを交えながら、「ひとりひとりが音の伝承者として生きる社会へ」をテーマに、これからの音楽について語り合うシンポジウムを開く。

 石上さんは「『自分は音楽なんかできないし苦手』という人が多い。150年前はプロでは無い人たちが集いの場で歌い三味線を奏でるという光景が日常にあったといわれている。音楽と呼ばれる前の音楽は日常の中の身近なものだったと思うので、これからの日常の中の身近な音楽についても考えていきたい」と話す。

 「自分は音楽なんか作れないという人も多いが、現在はITC技術によって、パソコンさえ使えれば誰もが音楽を作りはじめることでき、作品を世界に向けて発信できるようになった。特に電子音響音楽は、感覚的に自由な発想で創作することができる。『聴く』だけではなかなか魅力が伝わらないが、実際に『作る』ことでその魅力が何百倍にも膨らむ。自分自身の音楽・音文化を作品として残すということも継承であると考えている」とも。

 開催時間は16時~19時。入場無料。定員は80人。問い合わせは「C.A.P.(芸術と計画会議)」(TEL 078-222-1003)まで。

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