10月に20周年を迎えた神戸発のエンターテインメント集団「劇団赤鬼」が12月18日~20日、ABCホール(大阪市福島区)で「20周年記念Xmas公演『バブルス・マーメイド』」を行う。
1995年に神戸大学の演劇サークル「はちの巣座」OB・OGによって旗揚げされた同劇団。阪神・淡路大震災が起こってから数カ月後、初代座長の吉村シュークリームさんが「今だからこそ、やりたいことをやらないといけない気がする」と仲間に呼び掛け、7人でスタートした。
劇団名は、代表の川浪ナミヲさんと吉村さんが当時好きで使っていた「鬼のように◯◯」という言葉から。最初は「鬼のように頑張る」劇団なので「劇団鬼」に決定しようとしたが、「格好悪いので色を付けよう」という話になり、吉村さんが近鉄バッファローズのファンだったことから「赤鬼」となった。当初は児童劇団と間違われて苦労したと川浪さんは明かす。
同劇団は、共感・共鳴・共笑・共泣をテーマにハートフルな作風を得意とするエンターテインメント集団で、旗揚げ当初から数年は神戸アートビレッジセンター(神戸市兵庫区)で活動。2004年1月には新神戸オリエンタル劇場(中央区北野町)へ進出し、関西でエンタメ劇団と呼ばれる集団の核となるポジションを築いた。2007年に突然、初代座長が脱退。同劇団の存続が危ぶまれたが、当時の男性メンバーで一番若手だった行澤孝さんが座長を買って出た。
現在は20歳~40代の16人が所属。神戸を拠点とする劇団だが、大阪や東京でも公演を行っており、関西圏での学校公演も行っている。
今回の記念公演は、座長の行澤孝さん、山口尋美さん、岡本拓郎さん、橋爪未萠里さんなどの同劇団員のほか、副島新五さん、美津乃あわさんがゲスト出演。原案は行澤さんが初めて手掛けたという。フライヤーデザインは神戸のイラストレーターWAKKUNさんが担当。
川浪さんは「神戸の街で20年を過ごしたからこその劇団からのこん身のメッセージを見てほしい。強く生きること。諦めないこと。神戸の街から教えてもらった僕たちなりのメッセージを受け取ってほしい」と話す。9日の終演後はクリスマスイベント、20日の終演後は「千穐楽(せんしゅうらく)お楽しみイベント」を予定する。
川浪さんは「学生時代、まだがれきの残る神戸の街で旗揚げして20年がたった。あっという間でもあり、いろいろあったようでもあり、われながらよく続いているなと感心する。今まで劇団に関わってくれた全ての人々、劇団を育ててくれた神戸の街に感謝しながら、これからも良質なエンターテインメントをお客さまにお届けできるように邁進(まいしん)していく。さまざまな面で世知辛いと感じる世の中だからこそ、われわれみたいな集団が皆さんのお役に立てるのかなどと漠然と感じている」と話す。
開演時間は、18日=19時~、19日=14時~、18時~、20日=13時~、17時~。料金は、前売り=3,500円、当日=3,800円、ペアチケット=6,000円(前売りのみ)、学生=2,500円(要学生証)。全席指定。チケットぴあ、同劇団ホームページなどで販売する。