ドキュメンタリー映画「柄本家のゴドー」の上映が7月6日、神戸・元町商店街4丁目のミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で始まった。
1952年に仏語で初出版された劇作家のサミュエル・ベケットによる戯曲「ゴドーを待ちながら」。不条理演劇の代表作として世界各地で演劇公演される中、国内でもさまざまな演出家・キャストによって上演されている。
2014(平成26)年8月、俳優の柄本佑さん・柄本時生さんによる兄弟演劇ユニット「ET×2」が「劇団東京乾電池」公演として上演。2017年の公演では、父で俳優の柄本明さんが演出を担当した。同公演に挑む柄本家の親子3人の稽古場に、テレビドキュメンタリーや記録映画などを手掛ける山崎裕監督が立ち会い撮影。演出家と俳優の関係を超え、父から子への芸の伝承の厳しさと温かさにあふれる「時間の記録」として「柄本家のゴドー」を完成させた。
公開初日の上映後、明さんが舞台あいさつに登場。6月28日に来館が発表されるや否や同館には問い合わせが殺到し、SNSでは「行きたい!」「来るだろうなぁって思ってたけど、やっぱり!」「これはもう事件です!」(以上、原文ママ)などの反応が見られた。
柄本明さんは今年3月、映画の撮影で関西滞在中に同館をプライベートで何度か来館。明さんが初めて訪れた際はチケットカウンターのスタッフらは驚いたという。明さんは「仕事で地方へ行くと、まず映画館を探す。ここのようなミニシアター以外の大きな映画館も行く。関西滞在中に20本近くの映画を見たかな」と明かす。
当日は早々にチケットは完売。公演芸術集団dracom(ドラカン)のリーダーで演出家・劇作家・俳優の筒井潤さんを対談相手に、飾ることなく自身の思いを約1時間語り来場者を魅了した。公開に合わせチケットカウンター横では近隣の古書店「1003」(元町通3)が原作をはじめ、関連書籍の出張販売も行った。
観賞料は、一般=1,500円、学生=1,000円、シニア=1,100円など。同館での上映は今月19日まで。