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神戸で16分の短編映画「狼煙が呼ぶ」上映 豊田利晃監督が舞台あいさつ

16分の短編映画「狼煙が呼ぶ」を制作した豊田利晃監督

16分の短編映画「狼煙が呼ぶ」を制作した豊田利晃監督

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 16分の短編映画「狼煙が呼ぶ」の豊田利晃監督による舞台あいさつが9月24日、神戸・元町商店街4丁目のミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で行われた。

豊田利晃監督による舞台あいさつの様子

 大阪出身の豊田監督は、1998(平成10)年にバイオレンス映画「ポルノスター」で映画監督デビューし日本映画監督協会新人賞を受賞。漫画家・松本大洋さんの短編集「青い春」を実写化した作品をはじめ、豊田監督による青春3部作の完結編「ナイン・ソウルズ」、小泉今日子さん主演の「空中庭園」などを数々の作品を手掛ける。昨年には将棋映画「泣き虫しょったんの奇跡」が公開されている。

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 今年4月18日に銃刀法違反の容疑で現行犯逮捕された豊田監督。自宅に所持していた祖父の形見であった拳銃(リボルバー「YOUNG AMERICA」)は戦時中の護身用で所持していたもので、祖父の没後に父から受け継がれていたという。「正直なところ拳銃には全く興味がなかったが父の思いが詰まった祖父の形見として自宅に置いていた。モデルガンか本物か見分けがつかない赤さびまみれで動かなくなった拳銃がきっかけで逮捕されるとは思いもしなかった」と明かす。

 不起訴になったが、9日間の留置やメディアなどでの扱いが理不尽とするなどネット上では炎上。釈然としない気持ちが残った豊田監督は、事件に対して映像で意志を返答するとともに昨今の社会に浸透している多くの矛盾、不条理、表現や発表の自粛などへのメッセージも込めて同作品を制作したという。

 作品完成後、メディア向けの試写会などは行わずにまずは観客に届けたいと、東京、福岡、京都、松山でジャパンプレミアを開催。複数の映画館から上映の要望を受けたことがきっかけで国内では初となる全国一斉上映を決め、今月20日から37館で同時公開された。16分の短編映画を平常の映画とほぼ同じ入場料金で上映することは映画興行に対する新たな挑戦でもある。

 出演は、渋川清彦さん、浅野忠信さん、高良健吾さん、松田龍平さんなど。江戸時代の野良着を身にまとった和太鼓集団「切腹ピストルズ」が音楽を担当している。

 当日、上映後に豊田監督が舞台あいさつに登場。制作までの心の変化や舞台裏など、これまでにメディアなどで明かされなかったエピソードなども語られた。観客との距離が近い舞台ということもあり客席のファンから豊田監督に熱い思いが伝えられるなど、終始和やかなムードで進んだ。最後にサプライズで切腹ピストルズの祐太さんが登場。迫力のある和太鼓の生演奏が披露され、観客を魅了した。

 豊田監督は「予算ゼロから始まったが、最終的には大作レベルのスタッフ、キャストなどが集まってくれた。とても楽しい撮影現場でもっと長く撮っていたかった」と話す。「もう先のことを考えている。次回作に早く取り掛かりたい」とも。

 料金は一律1,800円。同館での上映は今月27日(21時~)まで。

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