神戸・元町通5丁目にある「走水神社(はしうどじんじゃ)」で4月16日、新型コロナウイルス感染拡大の早期終息を願う「祈願だるま」の祈とうが行われた。
新型コロナウイルスの影響で経済的にも苦しい日々が続く中、神戸元町商店街の来街者数も激減。同商店街の1番街から6丁目までの5商店街振興組合で構成する神戸元町商店街連合会の青年部長で元町6丁目商店街副理事長の片山喜市郎さんは「各店舗の経営状況は極めて厳しい状況にある」と話す。
さまざまな業種約300店で構成する全長1.2キロの同商店街は、創業100年を超える老舗から若者が経営する開業間もない店まで混在している。
1938(昭和13)年の阪神大水害や1995(平成7)年の阪神・淡路大震災と幾度となく難局から立ち上がり復興を成し遂げた神戸。今回も見えない敵に打ち勝とうと、同商店街の若手商業者たちが「少しでも明るい話題を神戸から発信しよう」と「祈願だるま」事業を企画した。
今回製作した、直径4センチ×高さ4.5センチの小さいだるまと直径33センチ×高さ42センチの大きなだるまは、東京2020オリンピックカラーのだるまを手掛けた「白河だるま本舗」(福島県)に製作を依頼。だるまの前面には同神社の兒嶋英毅宮司が揮毫(きごう)した「神戸」の文字、背面には「七転び八起き」にかけて神戸の市外局番「078」の文字を入れた。
祈とう後、神戸タータンの敷物に載せた小さいだるまは同商店街の全店に飾り、大きいだるまは各商店街の商店街振興組合に設置。神戸市にも大きいだるま1体を寄贈した。
片山さんは「祈とう式は新型コロナウイルスの感染対策から、距離をとって最小限の人数で行った。祈願だるまで街の力を一つにし、この困難を乗り越えたい」と意気込む。