全編オール神戸ロケ映画「みぽりん」の役者陣が本人役で出演するリモート短編映画「はるかのとびら」が5月8日、ユーチューブで無料公開された。
製作・脚本・監督は神戸出身の松本大樹さん。昨年、初監督した低予算自主制作映画「みぽりん」は、カナザワ映画祭2019「期待の新人監督」部門で観客賞、おおさかシネマフェスティバル2020ではワイルドバンチ賞を受賞した。
「みぽりん」は近畿エリアだけでなく、関東、九州、北海道の映画館で上映。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出た4月7日、中部エリアで公開中だった映画館が臨時閉館となってしまった。
予定していた仕事がストップし、自粛生活を余儀なくされた松本監督。精神的に追い詰められる中、現場主義だった松本監督がリモート短編映画を制作してみようと思ったきっかけは上田慎一郎監督のリモート短編映画「カメラを止めるな!リモート大作戦!」、中元雄監督のリモート短編映画「地獄のテレワーク」を見たことだったという。
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の延長が発表された5月4日、同作品を制作することを決意した松本監督。声優・俳優プロダクション「澪クリエーション」に所属する主演の津田晴香さんをはじめ、合田温子さん、井上裕基さん、近藤知史さん、mayuさん、垣尾麻美さんと共に完全リモートで作品を作り上げた。
エンディング曲「空」は片山大輔さん、衣装監修は冨本康成さん、ヘアメーク監修は篁怜さんと「みぽりん」制作陣が担当している。
松本監督は「新型コロナウイルスの感染拡大によって、今多くの方々が仕事を失い、希望を失い、孤独感に襲われ、明日が見えない将来に不安を感じながら、日々自粛生活を過ごしている状況かと思います。本作はこのようなリモートコンテンツを観る気力さえ起こせないような絶望感を感じている方々に、少しでも寄り添いたいという気持ちから、制作をはじめました。この短編映画が誰かの心の扉を開くきっかけになる事を心から願っています。一日も早く未来に希望を抱ける日常が取り戻されますように…」(原文ママ)とコメントを寄せた。
11日には、「元町映画館×映画チア部」によるコラボリモート短編映画「アワータイム」(企画、脚本、キャスティング=元町映画館スタッフの石田涼さん)も無料公開され、津田晴香さんも出演している。